
寺田稔前総務相が2021年衆院選で運動員を買収したとする公選法違反容疑の刑事告発を巡り、東京地検特捜部が寺田氏から任意で事情聴取したことが25日、関係者への取材で分かった。
東京地検特捜部は先月、報酬を受け取ったとされる地元の広島県内の市議らから任意で事情を聴き、寺田氏側が現金を配った経緯や趣旨を確認。寺田氏の説明なども踏まえ、違法性の有無などを慎重に捜査しているもようだ。
神戸学院大の上脇博之教授らが昨年、公選法違反容疑などで刑事告発していた。告発状によると、寺田氏や陣営の出納責任者らは21年10月19日、地元市議ら11人に対し「労務者報酬」名目で計6万8100円を支払い、選挙運動員を買収した疑いがある。
寺田氏を巡っては、関係する政治団体が政治資金収支報告書に故人を会計責任者として記入したなどとして国会で追及を受け、昨年11月に総務相を事実上更迭された。
時事通信