
ベイルート:2023年10月6日金曜、レバノン東部にあるザフレ刑務所で、脱走計画を試みたが発覚した受刑者が、苛立ちから独房に火を放ち、受刑者3人が死亡、16人が負傷した。
警察によると、看守らが壁に掘られたトンネルの一部となる穴を発見した。その後、刑務所の2階にある複数の独房で火災が発生したという。
穴の発覚後、受刑者らは数人の看守を人質に取ろうとし、その後、独房内のマットレスや毛布に火を放った。
治安関係者によると、火が瞬く間に刑務所の上階に燃え移り火災が制御不能となってはじめて、受刑者らは看守を解放したという。
民間防衛隊が消火活動に派遣された。
煙を吸い3人の受刑者が死亡したほか、複数の受刑者らが軽傷や呼吸困難で手当てを受けた。
ザフレ刑務所は620人の受刑者を収容する、レバノン最大規模の刑務所である。
弁護士で刑務所の人権活動家であるラビ・カイス氏がアラブニュースに語ったところによると、ザフレ刑務所はレバノンの他の刑務所と同様、過密状態に苦しんでいるという。
同氏によると、受刑者の60%がシリア人やその他レバノン以外の国籍を持つ者だという。
また、弁護士のアシュラフ・アル・ムーサウィー氏は、刑務所との通信はすべて遮断されており「何が起こっているのか詳細を知ることは難しい 」と述べた。
しかしながら、同氏によると、受刑者らは刑務所の過密状態や裁判の遅れに、繰り返し不満を訴えているという。
バサム・マウラヴィ内務大臣が、消火と受刑者らの避難活動に当たっている民間防衛部隊の援助を陸軍司令官ジョセフ・アウン氏に要請し、レバノン軍が刑務所に派遣された。
民間防衛隊と赤十字の車両が到着すると、刑務所の周りには受刑者らの家族が集まっていた。
看守に負傷者が出たという報告されていない。