モハメッド・ナジブ

ラマッラー：パレスチナの政府関係者によると、27日にヨルダン川西岸地区とイスラエルでパレスチナ人2名がイスラエル人に殺害された。

イスラエル軍は、サルフィートに近いアリエル入植地付近でアフメド・タハ氏（39）を射殺した。同氏はナイフによる攻撃を企てた疑いがあった。また、パレスチナの情報筋によると、ガザ中部ヌセイラットの住人アミン・ワルダ氏が、イスラエル領内で働いていた際にイスラエル人の襲撃を受けて死亡した。

この2名の死亡は、ヨルダン川西岸地区全体において、入植者によるパレスチナ人とその財産に対する攻撃が今までになく激化する中でのことだった。

26日夜、過激派のイスラエル財務相ベザレル・スモトリッチ氏や他の極右議員らが率いる入植者たちが、ジェニンの南にある町Silat Al-Dhahrに近い、退去済のホメシュ入植地に押し入り、イスラエル軍の部隊に守られ、タルムードの祈りを行った。入植者らはナブルス北西のBazariyaに近い入植地の入り口付近に住むパレスチナ人の車両を石で攻撃し、窓を割った。

占領下のパレスチナ領内にあり、2005年に解体された4つの入植地、ホメシュ・ガニム・カディム・サヌールへ戻る許可を入植者に与える法案が、約1か月前にイスラエル国会において可決されている。

また、入植者らはナブルスの南に位置するQaryut村で160本以上のオリーブの木を伐採した。さらに、27日には武装した入植者たちがナブルスの東にあるアインシブリ村の入り口付近でパレスチナ人の車や財産を攻撃した。

ヨルダン川西岸地区北部で入植地関連問題を担当するパレスチナ政府職員ガッサン・ダグラス氏はアラブニュースに対し、25人の武装した入植者が車両、住宅、温室を標的にしたと述べた。

「このところ入植者による攻撃が著しく激化しており、こういった攻撃に対抗するために警戒と警備委員会の活動強化が必要だ」と、ダグラス氏は語った。

また、27日に入植者らはベツレヘムの西にあるフサン村に隣接する農地で、何十本ものブドウとオリーブの苗木を根こそぎにし、作物のナス、トマト、コショウを台無しにし、灌漑システムを破損させたと、フサン村議会の長であるラミ・ハマムレフ氏は述べている。

パレスチナ人はおよそ12の湧泉があるこの土地と、そこで育つ作物に依存して暮らしている。それが入植者たちが繰り返す攻撃の標的となっている。

ヨルダン渓谷北部のKhirbet Al-Sakotでは、4名のパレスチナ人農民と羊飼いが入植者の攻撃を受けて負傷した。この地は26日から継続的な攻撃の対象となっている。

この地域における緊張は、数日前に入植者の一団が牛舎を建て、灌漑を行っている作物の一部を破壊した時から高まり始め、牧畜用拠点を築くための第一歩ではないかという懸念を巻き起こしている。

トゥーバース県でヨルダン渓谷の問題を担当するモアタズ・ビシャラット氏はアラブニュースに、27日の朝から入植者の一団がSakot地区で羊飼いを追っており、牛の群れを捕らえてもいると述べた。

同氏は、入植者らの活動から、彼らが数日にわたって羊飼いを追いかけ、ヨルダン渓谷の多くの場所でほぼ毎日彼らを追いまわし、牧草地から追い出していることが分かると述べた。牧畜用拠点がこの地域で広がっていることが伝えられており、入植者らは牧畜用地の広範囲を奪っている。

27日にイスラエル軍は、Sakotからほど近いヨルダン渓谷北部のアインアルベイダ村の住人による抗議運動を鎮圧するために、催涙ガスを使用した。

同日、パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相はジェリコの状況について知事やその他の関係者と話し合った。ジェリコは6日以上にわたってイスラエル軍による厳しい包囲を受けている。

シュタイエ氏は繰り返されるジェリコと同地のキャンプへの侵入を非難し、パレスチナ政府は包囲解除のために全力を尽くしていると述べた。また、アクバット・ジャベル・キャンプへの侵入を止めることと、現地に暮らすパレスチナ人へ可能な限りのあらゆる支援を提供することの必要性を強調した。