Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

自閉症児の生活改善のため努力を続ける サウジ自閉症家族慈善協会

サウジアラビアの自閉症家族慈善協会(SAF)会長、サウード・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウード王子。(提供写真)
サウジアラビアの自閉症家族慈善協会(SAF)会長、サウード・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウード王子。(提供写真)
Short Url:
26 Feb 2021 09:02:44 GMT9
26 Feb 2021 09:02:44 GMT9
  • サウジアラビアの自閉症家族慈善協会(SAF)の会長を務めるサウード・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウード王子はアラブニュースの取材に応え、2009年の発足以来同協会が行ってきた慈善活動の詳細を語った。

ディーマ・アル・フデール 

ジェッダ:サウジアラビアに本拠を置く自閉症家族慈善協会(SAF)は、10年以上にわたって自閉症の子供を持つ家族を支援し、社会参加を促進してきた。その間に地域における自閉症に対する意識は改善されたものの、自閉症についての理解不足による不名誉の感覚が、サウジアラビアには依然として残っている。

自閉症、または自閉症スペクトラム障害(ASD)は、他人とのコミュニケーション能力や社交能力を損なう神経発達障害であり、他の人々と交流したいという欲求の欠如、明らかな敵意の表現、アイコンタクトの回避、反復的な行動パターンなど、一見非社会的に見えるさまざまな行動につながることがある。

アラブニュースは、SAFの会長であるサウード・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウード王子に、発足以来SAFが行ってきた慈善活動の詳細を聞いた。

「適切な医療とその他の支援を家族へのサポートと組み合わせることで、自閉症の症状を持つの子供たちの一部は、「通常の」生活を送るために必要なスキルを習得できますし、場合によっては、他の大多数の人々にはめったに見られない特別な才能と能力を発揮することもあります」とサウード王子は語った。「当協会は多くの励まされるような実例を目にしてきており、そうした好結果を得た人たちの物語をコンスタントに紹介しています。」

自閉症は一般的に3歳までに特定され、女性よりも男性に多く見られる。自閉症の最初の研究は1960年代に発表されたが、それほど深刻ではないタイプの自閉症は1980年代まで発見されていなかった。今日では3種類の自閉症スペクトラム障害が特定されている。その3種とは、古典的な自閉症とも呼ばれる自閉性障害、アスペルガー症候群、および非定型自閉症とも呼ばれる広汎性発達障害であり、そのそれぞれが、医師が患者を診断する際の根拠となる一定の特徴を持っている。

サウード王子は、研究が十分に行われていないため、サウジアラビア国内の自閉症スペクトラム障害を持つ人の数を正確に推定することは難しいと指摘した。「しかし、米国疾病予防管理センター(CDC)の発表では、すべての人種、民族、社会経済グループを含めた中で、54人に1人の子供が自閉症スペクトラム障害があると特定されています。これによれば、世界の人口の約1〜2パーセントが自閉症のスペクトル上にいることになります」と王子は語った。「この割合はサウジアラビアにも当てはまるかもしれません。」

自閉症についての意識を高める活動の一環として、自閉症家族慈善協会では一連の公開セミナーを積極的に開催してきているが、新型コロナ感染症の流行の影響もあり、最近ではソーシャルメディア上でも活発に活動している。キャンペーン活動のほか、協会は以下のものを含む幅広いサービスの提供をサポートしている:リハビリテーション、教育開発、協会が支援する家族のための他の組織からの指導・支援、およびオンラインによるコンサルティング、講義、ワークショップやリハビリテーションサービス。

「私たちは、自閉症をよく理解している温かいコミュニティを作り、自閉症のスペクトル上にある人たちとその家族が必要な支援を受けることができるよう、努力を続けていきます」とサウード王子は語った。

特に人気
オススメ

return to top