
8日、紛争地域となっているシェバー・ファームズにあるイスラエル軍の拠点3カ所をヒズボラが標的にしたことを受け、イスラエルはレバノン南部に集中砲撃を行った。
直ちに犠牲者が出たとの報告はない。
7日、パレスチナ人の銃撃犯らがイスラエルの各都市で少なくとも250人のイスラエル人を殺害するという近年では最も深刻な攻撃を実行し、これに対するイスラエルの空爆による報復でさらにガザ地区住民230人が死亡した。
イランの支援を受ける強力な武装組織ヒズボラは、パレスチナの人々への「連帯」を示すため、シェバー・ファームズの3拠点に誘導ロケットと迫撃砲を発射したと発表した。
イスラエル軍は8日、国境を越えて迫撃砲が発射されたレバノン区域に砲撃を行ったと発表した。「イスラエル国防軍(IDF)は、砲弾が発射されたレバノン区域に現在砲撃を行っている」と同軍は説明した。
イスラエル軍によると、同軍のドローン1機がシェバー・ファームズのハル・ドヴ地域にあるヒズボラの拠点を攻撃した。
「現時点で、ハル・ドヴあるいは北部地域にさらなる脅威はありません」IDFのダニエル・ハガリ報道官はテレビ放送にてそう発言し、軍は引き続き厳重警戒態勢にあると続けた。
イスラエルは1967年以来、土地面積39平方キロメートル(15平方マイル)のシェバー・ファームズを支配してきた。シリアとレバノンは、シェバー・ファームズがレバノンの領土であると主張している。
国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)は、「レバノン南東部からイスラエル支配地域に向けて複数のロケット弾が発射されたことを検知した」ほか、これに対応する形でイスラエルからレバノンに向けて砲撃が行われたと発表した。
「我々はこの状況を沈静化させ、これ以上の深刻化を避けるためにあらゆるレベルにおいてブルーラインの両側の当局に接触を行っています」アンドレア・テネンティ報道官はそう述べた。
ブルーラインはレバノンとイスラエルの境界であり、2000年にイスラエルがレバノン南部から撤退した際に策定されたラインである。
UNIFILは7日、イスラエルとガザ地区の動向を受け、レバノン南部で対ロケット発射活動をはじめとするプレゼンスの強化を行ったと述べた。
国連のレバノン特別調整官を務めるジョアンナ・ウロネッカ氏は元TwitterのXにて、攻撃の応酬を「深く憂慮」しており、「レバノンと同国の人々をこれ以上の戦禍に晒さない」よう各方面に呼びかけた。
レバノン南部を実効支配しているヒズボラは7日、パレスチナの「抵抗」グループのリーダーらと「直接接触」を行っており、パレスチナ人によるイスラエルへの攻撃を「イスラエルの継続的な占領に対する断固たる対応であり、イスラエルとの正常化を求める人々へのメッセージ」と受け取ったと述べた。
ロイター