
カイロ:エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は25日、イスラエルとハマスの紛争を緩和し外交的解決を見いだすために、エジプトが「非常に積極的な役割」を果たしていると述べた。
エジプトは、紛争の停戦を主張する一方で、ガザとの国境にあるラファ検問所を通じたガザ住民への支援物資の輸送や人質解放の交渉で積極的な役割を果たしてきた。
エジプトとガザ地区との国境から約135マイル(215キロ)離れたシナイ半島の西端で行われた演習で、エジプト軍の戦闘機や戦車などの軍備を視察した大統領は、エジプトには相当の軍事力があるが、それは自衛のためにのみ賢明に使用すると述べた。
大統領は、エジプトによる紛争関与を求める内部の声に対し、「このような力を持つときは、それを合理的に、賢明に、慎重に用いること、そして行き過ぎたり、自分の力に幻想を抱いたりしないことが非常に重要だ」と言及した。
「自衛する能力があるならば、[中略]決して怒りや熱狂に任せてはいけない」と大統領は述べた。
エルシーシ大統領は25日にカイロでエマニュエル・マクロン仏大統領と会談予定で、この軍事演習は、10月6日に始まった1973年の対イスラエル戦争50周年記念行事のために行われる予定だったが、紛争のために延期されたという。
21日のカイロ和平サミットで、エルシーシ大統領は、ガザ地区住民をエジプトのシナイ半島に移住させようとするイスラエルの動きに警告し、「正当な解決なくパレスチナ問題が消滅することなどありえない。いずれにせよ、それがエジプトの犠牲のうえで起きることは決してない」と述べた。
ロイター