
ラファ検問所は、エジプトからガザ地区への主要な出入り口である。イスラエルが10月7日にハマス過激派による致命的な襲撃を受け、報復としてガザ地区を「完全包囲」して以来、この場所はパレスチナ人への援助物資を届ける努力の中心となっている。
ガザ地区への援助に関する最新情報
ラファ検問所を通した人道的援助は10月21日に開始された。しかし、国連機関は、清潔な水、食料、医薬品、燃料が不足しているガザの人口230万人のニーズを満たすには全く足りていないと述べている。
パレスチナ赤新月社によると、26日の12台を含め、これまでに74台の援助トラックがラファ検問所を通過したという。国連当局によると、必要不可欠なニーズを満たすためには、毎日約100台のトラックが必要だという。
トラックは水、食料、医薬品を運んでいるが、ハマスの攻撃に使われる可能性があるとイスラエルが主張している燃料は運んでいない。
なぜラファ検問所を通した大規模な援助が困難なのか。
援助関係者によると、ラファのこれまでの主な役割は民間人に対する出入国エリアであり、大規模な援助活動を行うための設備は整っていなかったという。
援助物資を積んだトラックは、イスラエルとの交渉で合意された通り、ラファのエジプト国境ゲートを通過した後、40キロメートル以上離れたエジプトとイスラエルの国境、ガザとの短い国境の南にあるアル・オージャ(Al-Awja)とニッツァーナ(Nitzana)検問所に向かい、そこでイスラエルの検査を受ける。援助物資はガザに届けるために別のトラックに積み替えられ、空になったトラックはそのままエジプトに戻る。
過去にイスラエルとハマスがガザで対立した際、援助物資は主にイスラエル側の検問所を経由して運ばれていた。また、パレスチナ自治区に対する国連の援助活動は、1950年代からイスラエル経由で行われてきた。
ラファ検問所はどこにあり、誰が管理しているのか。
ラファ検問所は細長いガザ地区の南部にあり、イスラエル、エジプト、地中海に挟まれた狭いエリアにある。この検問所はエジプトが管理している。
なぜラファ検問所がこの紛争で重要なのか。
イスラエル人1400人以上が死亡した、10月7日のハマス戦闘員による国境を越えた侵入事件を受けて、イスラエルはガザを全面封鎖し、ラファ検問所を人道支援のための唯一の入国ルート、そして避難を求めるガザ住民の唯一の出国地点とした。
ハマスが支配するガザ地区の保健当局によれば、10月7日以来、6500人以上のパレスチナ人が死亡している。
なぜエジプトはラファへの通行を制限しているのか。
エジプトは、シナイ北東部のガザとの国境付近の治安悪化を警戒している。同地は、現在はほぼ鎮圧されているものの、2013年以降にピークに達したイスラム主義者の反乱に直面している。
2007年にハマスがガザを掌握して以来、エジプトはガザの封鎖を支援し、人と物資の通行を大幅に制限してきた。
2008年、ハマスが国境の防御施設の一部を破壊、何万人ものパレスチナ人がシナイ半島に渡ったため、エジプトは石とセメントの壁を建設した。
エジプトは過去の紛争において、イスラエルとパレスチナ派閥の仲介役を務めてきた。しかし、そのような状況でも国境を封鎖し、援助物資の入国と医療避難者の出国は許可しているが、大規模な人の移動は阻止している。
なぜアラブ諸国はパレスチナ人の受け入れに消極的なのか
アラブ諸国は、イスラエルと、ガザのハマスとの最新の戦争が、永続的な避難民の新たな波を引き起こしかねないという根深い恐れを抱いている。
ガザと国境を接する唯一のアラブ諸国であるエジプトと、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区に隣接するヨルダンは、パレスチナ人が土地を追われることに警告を発している。
パレスチナ人にとって、自分たちが国家を築きたいと願っている領土を離れる、または追放される考えは、イスラエル建国に伴う1948年の戦争で多くの人々が家から逃げ出し、追い出された「ナクバ(大惨事)」を想起させる。
イスラエルは、建国後に5つのアラブ諸国から攻撃を受けたとして、同国がパレスチナ人を追い出したという主張に異議を唱えている。
ロイター