• ジャーナリストで非政府組織「プレス・ハウス-パレスチナ」の代表者のベラル・ジャドラ氏が11月19日に死亡し薬剤師の義弟も重傷を負ったことを、同氏の妹と親族がロイター通信に語った

ガザ地区：ガザ地区の著名な報道機関の代表者と他のジャーナリスト2人がイスラエルの攻撃によって11月第3週の週末に殺害されたことを遺族が11月19日に明らかにした。開始以来6週間経過した今回の紛争での数十人に及ぶ記者の死亡数がさらに増加した。

ニューヨークに拠点を置くジャーナリスト保護委員会（CPJ）によると、10月7日のハマスによるイスラエル襲撃とそれに続くイスラエルによる攻撃の開始以来、ガザ地区で、死亡が確認されたジャーナリストとメディア関係者の人数は、11月第3週の週末の死亡者数を合算すると48人に上ったという。

死亡した記者それぞれについて少なくとも2つの情報源から確認を取って作成されるCPJのリストはイスラエルとガザ地区の両方で殺害されたジャーナリストを網羅したものだが、今回の紛争ではリストのほとんどをガザ地区のジャーナリストが占めている。CPJのリストによると、殺害されたジャーナリストは、パレスチナ人43人、イスラエル人4人、レバノン人1人となっている。

「この地域のジャーナリストたちは、胸が張り裂けそうになるこの紛争の取材のために非常に大きな犠牲を払っています。特にガザ地区のジャーナリストたちは前例の無い規模の損害を既に被っており、さらに犠牲を出し続け、指数関数的に増大する脅威に対峙しています」と、CPJの中東・北アフリカプログラムコーディネーターのシェリフ・マンスール氏は、ロイター通信宛ての電子メールで語った。

ジャーナリストで非政府組織「プレス・ハウス-パレスチナ」の代表者のベラル・ジャドラ氏が11月19日に死亡し、薬剤師の義弟も重傷を負ったことを、同氏の妹と親族がロイター通信に語った。

ジャドラ氏は、11月19日朝、ガザ市から南に向かうと自身の妹に告げていた。ガザ市のゼイトゥーン区域でジャドラ氏は死亡したと彼の妹は述べ、死亡確認を行った医療センターに同氏を運び込んだ人々は同氏がイスラエル軍の戦車の砲撃によって殺害されたと話していたと付け加えた。

ロイター通信は、この発表についても、また、同じく11月第3週の週末に殺害された他の2人のジャーナリストについても、独自に事実関係を確認することが出来なかった。

ジャドラ氏の親族の内4人は、ガザ地区や国外でロイター通信に勤務している。CPJの殺害されたジャーナリストのリストに名を連ねている1人は、イスラエルとの国境近傍のレバノンで10月13日に死亡したロイター通信のイッサム・アブダラー記者である。

ジャドラ氏に加えて、ハッソーナ・スリム氏とサリ・マンスール氏という2人のフリーランスのジャーナリストが、ガザ地区中心部のブレイジ難民キャンプへのイスラエルによる攻撃で11月18日に死亡したと、2人の親族とパレスチナの保健当局者が発表した。同保健当局は、この攻撃で17人が死亡したと述べた。

イスラエル軍は、ジャドラ氏たちの死についてのコメントを要請したが即時的な回答は得られなかった。

イスラエル軍は、これまでの所、10月7日の攻撃後はハマスを壊滅させるための攻撃を進めており、個別事例については後日調査すると述べてきた。また、イスラエル軍は、民間人の被害を軽減するために可能なあらゆる努力をしているとも明言してきた。

非政府組織「プレス・ハウス-パレスチナ」は、「民主主義の価値と表現の自由そしてその原則を反映する独立したパレスチナのメディア」の発展に貢献することをその全体的な目的としているとウェブサイトで述べている。

ロイター