
ロンドン、トゥルカム、バチカン:パレスチナの外務庁長官は22日、ガザ北部のジャバリア難民キャンプでイスラエルの軍事作戦が行われ、一家族の50人以上が殺害されたと発表した。
パレスチナのリヤード・マーリキー外務庁長官は、ロンドンで行われたアラブとイスラムの外相らによる会見の傍ら、「今朝、ジャバリアのカドゥラ家の52人が一気に殺害されました」と述べた。
「その氏名のリストがありますが、一家のうち52人が祖父から孫まで抹殺されました」
パレスチナ保健省は、占領下のヨルダン川西岸地区におけるイスラエル軍の襲撃でパレスチナ人6人が射殺されたと伝えた。
同省によると、10月7日にハマスがガザ地区からイスラエル南部を攻撃して以来、ヨルダン川西岸地区全域で200人を超えるパレスチナ人がイスラエル軍と入植者によって殺害されたという。
パレスチナ赤新月社は、イスラエル軍が北部トゥルカムの難民キャンプを襲撃し、散弾で顔にケガをした16歳の少年を一時拘束したと述べた。
また、「イスラエル軍に殴られた」26歳の若い女性が病院に搬送されたという。
パレスチナ赤新月社は、ヨルダン川西岸地区のトゥルカム、ベツレヘム、トゥバス、カルキリヤの町で、銃創を負った4人を含む計26人の負傷者の治療にあたったと発表した。
イスラエル当局は、10月7日のハマスの攻撃でイスラエル南部各地で推定1,200人が死亡したと発表した。その大半が民間人だという。
22日、教皇フランシスコは、ハマスの人質になっているイスラエル人の親族、ガザに家族がいるパレスチナ人とそれぞれ面会し、紛争は戦争を越えて「テロ行為」になっていると述べた。
邸宅での面会の直後、教皇は、サンピエトロ広場の一般謁見の中で、紛争で「双方が苦しんでいる」様子を直接聞いたと語った。それは用意された原稿にはなかった文言だった。
「これが戦争の結果です。しかし、もはや戦争を越えています。これは戦争ではない。これはテロ行為です」
教皇は、その上で双方が「結局皆殺しになるような激情で突き進まないように」祈ることを求めた。
一般謁見の間、聴衆の中のパレスチナ人グループは白い布に包まれた遺体の写真とともに「ナクバは続いている」と書かれたプラカードを掲げた。
ナクバとはアラビア語で大災厄を意味し、1948年のイスラエル建国を巡る戦争でパレスチナ人が強制的に移住させられ、土地を奪われたできごとを指す。
一方、国連の児童機関の責任者は、包囲されたガザ地区を「子どもにとって世界で最も危険な場所」だとし、苦労して勝ち取った休戦協定も、子どもの命を救うには十分ではないと指摘した。
ユニセフのキャサリン・ラッセル事務局長は、国連安全保障理事会に対し、10月7日以来ガザで5,300人以上の子どもが殺害され、死亡者の40パーセントを占めていると報告した。
ガザ南部の視察から戻ったばかりの事務局長は、「前例のない事態です。見たこと、聞いたことが頭を離れません」
そして、一時休戦だけでは不十分だとし、「この大虐殺をただちに止める緊急の人道的停戦」を求めた。
ラッセル事務局長は、「子どもたちが生き延びるには(中略)人道支援の活動家が現地に留まり、効率的に救援を行うには(中略)人道的停戦だけではまったく不十分です」と訴え、他にも1,200人の子どもたちが爆撃を受けた建物の瓦礫の下に取り残されている、あるいは行方不明になっている可能性が高いと説明した。
そして、「爆弾、ロケット弾、銃撃に加え、ガザの子どもたちは壊滅的な生活環境からきわめて危険な状態にさらされている」とラッセル事務局長は付け加えた。
「100万人の子どもたち、領土内の子どもたち全員が現在食糧不安にあり、近く壊滅的な栄養危機に陥りかねません」
ユニセフは、ガザ地区で子どもの急性栄養不良が今後数か月で約30パーセント増加する可能性があると予測している。
国連人口基金のナタリア・カネム事務局長も安全保障理事会で演説し、ガザの妊婦の窮状を訴えた。来月には約5,500人が悲惨な状況で出産することになりかねないという。
「新しい命が始まる瞬間、喜びであるべき瞬間が、死と破壊、恐怖と不安で覆い隠されてしまいます」とカネム事務局長は訴えた。
AFP – ロイター