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米国は同盟国がいないよりはいた方がより強くなる

07 Jun 2020
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コロナウイルスのパンデミック、およびミネソタから世界へ広がっているジョージ・フロイド抗議運動の最中、ドナルド・トランプによる先週の重要な動きはほとんど注目されなかった。同大統領はペンタゴンに対し、ドイツから9,500人の米軍部隊を引き上げ、その数を25,000人に減らすことを命令したのだ。

ドイツは最も重要かつ忠実な米国の同盟国の1つである。ラムシュタインに米空軍基地、ラントシュトゥールに米陸軍病院があり、どちらもイラクやシリアでのイスラム国との戦い、およびアフガニスタンにおける米国の軍事作戦に重要な存在である。

部隊の引き上げには国防総省の承認が必要だが、ここまで来るのには長い道のりがあった。トランプはNATO加盟国に対し、GDPの4%を防衛に支出することを望んでいる。NATO協定は2024年までに2%を求めている。現在の米国の支出は約3.4%だ。英国、ギリシャ、ポーランド、ルーマニア、エストニア、ラトビア、リトアニアはすでに2%の基準を満たす。その他の国の動きは鈍い。フランスの支出は1.84%、カナダは1.55%、そしてドイツはわずか1.38%だ。

ドイツは防衛支出を大幅に引き上げてきたものの、バランスの取れた予算も目指している。国防大臣のアンネグレート・クランプ=カレンバウアーは、ベルリンが2024年までにGDPの1.5%を支出し、遅くとも2031年までに2%を達成することを約束しているが、NATOの要求達成には大幅に足りない。

コロナウイルスのパンデミックがあらゆる国の予算に負担を与えたため、多くの国でNATOの責務履行に遅れが生じるだろう。ドイツの信用のために言えば、先週の1,300億ユーロの景気刺激策には、デジタル、セキュリティ、および防衛プロジェクへの投資のための100億ユーロが含まれている。

米軍がどうやらアンゲラ・メルケル首相とあえて相談することなく、この最も古い同盟国の1つの国土からその部隊の4分の1以上を引き上げるとすれば重大な問題だが、トランプがNATOを問題にするのは今に始まったことではない。彼はあらゆる多国間の枠組みに懐疑的であり、気候変動に関するパリ協定や世界保健機関からの脱退は、そのほんの2つの事例に過ぎない。彼は初めて政権の座に就いた時にNATOについて厳しい指摘をしたが、同盟70周年を前に態度を変え、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がNATOを脳死状態と呼んだ際には弁護に動いている。

今回の場合、トランプは6月にキャンプ・デービッドで行われるG7サミット(現在は9月に延期された)への出席の招待をメルケルが拒絶したことに気を悪くしたのかもしれない。トランプは同サミットにロシアを含む他国を招く意向を示している。

米軍がどうやらアンゲラ・メルケル首相とあえて相談することなく、この最も古い同盟国の1つの国土からその部隊の4分の1以上を引き上げるとすれば重大な問題だが、トランプがNATOを問題にするのは今に始まったことではない。

コーネリア・マイヤー

NATO加盟国の多くがその希望に警戒感を持つだろう。なぜなら彼らは、クレムリンが欧州に対して徐々に好戦的な態度を示していることを懸念しているからだ。また彼らは、米中間で高まっている摩擦に引き込まれたくないとも考えている。中国は欧州、特にドイツにとって、重要な貿易相手国である。イタリアは北京の「一帯一路」構想で正式なパートナーにさえなっている。英国は明らかに中国に対して厳しい態度で臨む様子を見せている。中国がかつて英国の植民地だった香港に対し、議論を呼んでいる新たな治安法を導入しようとしているためだ。

米国を世界の強国にしたのはその経済力と軍事力だったが、他の超大国と差別化したのは同盟の強さとそのソフトパワーだった。米国がリーダーとなったのは国の豊かさと強力さだけが理由ではない。ワシントンのリーダーとしての正当性は、合理的な範囲内で話し合いに対してオープンで、大抵は協議を重視するやり方を持つ、信頼できる同盟国だったことに由来する。

ワシントンの町には新しい保安官がおり、彼のやり方は異なっている。しかし、米国建国の父ベンジャミン・フランクリンが観察した通り、酢よりも蜂蜜を使った方がより多くのハエを捕まえられる。それは米国にとって、同盟国に対処する際によく考えるべきことなのかもしれない。彼らがいないよりはいた方が、ずっと強くパワフルでいられるからだ。

コーネリア・マイヤーはビジネスコンサルタント、マクロエコノミスト、およびエネルギー専門家。Twitter: @MeyerResources

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