

ドバイ(アラブ首長国連邦):日曜日、紅海を航行中の商船3隻が、イエメンのフーシ派支配地域から発射された弾道ミサイルの攻撃を受け、米軍艦は数時間におよぶ攻撃の際に、自衛のため3機の無人機を撃墜したと米軍が発表した。この攻撃については、イランの支援を受ける反政府勢力フーシ派が犯行声明を出した。
この攻撃は、イスラエルとハマスの戦争に関連した、中東における一連の海上攻撃の激化を示すもので、この紛争で初めて、複数の船舶がフーシ派による単一攻撃の標的となった。
米中央軍は声明で、今回の攻撃は「国際通商と海洋安全保障に対する直接の脅威である。フーシ派は、世界中の複数の国を代表する国際色豊かな乗組員たちの命を危険にさらしている」と述べた。3隻の商船とその乗組員は14か国とつながりがあるという。
中央軍によると、海軍駆逐艦カーニーが、イエメンのフーシ派支配地域からバハマ船籍のばら積み貨物船ユニティー・エクスプローラー号に発射された弾道ミサイルを探知した。ミサイルはこの船の近くに着弾した。その直後、カーニーは向かってくる無人機を撃墜したが、それがこの駆逐艦を標的にしていたかは不明だ。この無人機もまたイエメンからも発射されたものだ。
それから約30分後、ユニティー・エクスプローラー号はミサイルの直撃を受け、カーニーは救難信号に対応している間に、飛来してきた別の無人機を撃墜した。中央軍は、ユニティー・エクスプローラー号がミサイルによる軽度の損傷を報告したと述べた。
これとは別の商船2隻、パナマ船籍のばら積み貨物船ナンバー9号とソフィーII号もミサイル攻撃を受けた。ナンバー9号は若干の損傷を報告したが死傷者はおらず、ソフィーII号も大きな損傷は受けなかったとの報告だ。
ソフィーII号を支援するために航行中、カーニーはその方向に向かっていた別の無人機を撃墜した。この無人機による被害はなかった。
「これらの攻撃はイエメンのフーシ派によって行われたものではあるが、全面的にイランによって可能になったものだと信じる十分な理由がある」と中央軍は述べ、米国は「あらゆる適切な対応」を検討すると付け加えた。
UKMTO WARNING 001/ DEC/ 2023
— United Kingdom Maritime Trade Operations (UKMTO) (@UK_MTO) December 3, 2023
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アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦のカーニーは、イスラエルとハマスの戦争でこれまでにフーシ派がイスラエルに向けて発射したロケット弾をすでに複数撃墜している。いずれの事象でも損傷はなく、船内での負傷者も報告されていない。
フーシ派の軍報道官ヤヒヤ・サリー准将は、日曜日の攻撃をフーシ派によるものとし、紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡にいる間に、最初の船はミサイルで攻撃し、2番目の船は無人機で攻撃したと述べた。サリー准将は、この攻撃における米軍艦の関与には言及しなかった。
「イエメン軍は、ガザ地区における我々の誠実な同胞に対するイスラエルの侵略が止まるまで、イスラエル船の紅海(とアデン湾)航行を阻止し続ける。イエメン軍は、すべてのイスラエル船舶またはイスラエルに関係した船舶に対し、この声明に記載された内容に反する行為をした場合、正当な標的となることを改めて警告する」とサリー准将は語った。
同准将はまた、最初の船は英国企業が所有するユニティー・エクスプローラー号であり、その役員の一人にイスラエル在住のダン・デイビッド・アンガー氏が含まれていると特定した。ナンバー9号はベルンハルト・シュルテ・シップマネージメントと関係がある。2隻の船の管理会社からのコメントは得られていない。
イスラエルのメディアは、アンガー氏がイスラエル海運関係の大富豪アブラハム・“ラミ”・アンガー氏の息子であると特定した。
フーシ派は紅海を航行する船舶に対する一連の攻撃を行ったほか、イスラエルを標的に無人機やミサイルを発射している。米国は海軍艦艇が標的にされたとは明言しなかったが、フーシ派の無人機が米艦艇に向かっており、自衛のために撃墜したと述べた。
イスラエルとハマスの戦争がより広範な地域紛争に発展する恐れがあるなか、世界の海運が標的にされるケースが増えている。停戦により一時的に戦闘が停止され、イスラエルが拘束しているパレスチナ人捕虜と引き換えに、ハマスが人質を解放したものの、停戦協定が崩壊し、イスラエルによる過酷なガザ空爆と地上攻撃が再開されたことで、海上攻撃が再開される危険性が高まっていた。
11月、フーシ派はイエメン沖の紅海で、イスラエルと関係のある車両輸送船を拿捕した。この反政府勢力は今も港湾都市フダイダ付近でこの船を拘束している。先週、武装集団に一時的に拿捕されたイスラエル関連の船舶を支援した別の米国軍艦の近くにも、その後ミサイルが着弾した。
しかし、フーシ派はしばらくの間米国を直接標的にしておらず、海洋紛争の拡大の危険性はさらに高まっている。2016年、米国は当時米海軍艦艇にミサイルを発射したことへの報復として、巡航ミサイル「トマホーク」を発射し、フーシ派支配地域の沿岸にあるレーダー施設3か所を破壊した。
AP