
バグダッド:イラクでは18日、10年ぶりとなる県議会選挙の投票が始まった。最大の政敵であるポピュリストの聖職者モクタダ・アル・サドル師がボイコットする中、イスラム教シーア派の与党連合が政権を拡大する可能性が高い。
今回の選挙は、2025年に予定されている国民議会選挙への基盤固めとなり、イランと関係のある勢力がここ数年政治的に力を得ているこの国のパワーバランスを決めることになる。
前回の地方選挙は2013年に行われたが、武装組織ダーイシュとの戦闘のため、以降延期されていた。ダーイシュはイラクの大部分を占拠したものの、最終的には敗北した。
2021年の国民議会選挙でサドル師が勝利した後、同師に対抗したシーア派の者たちは政権樹立を阻止した。今回の選挙では、この勢力が多くの地方議会で政権を掌握する可能性が高く、特にシーア派が多数を占める南部の各県においてそうである。
これによって、親イランのシーア派与党連合(通称「調整枠組み」)の力は一層強固なものとなり、石油がもたらす国の財源を彼らが管理でき、その力はより増すことになる。国の財源は地方の事業やサービスに充てられる。
サドル派の議員らが辞職した後、この連合は国民議会において既に最大の勢力を単独で形成している。
投票はイラクの全18県のうち15県で行われ、権力を持つ県知事の任命や地方行政の監督などを職務とする285人の議員が選ばれる。
3つの県からなるイラクの半自治領であるクルディスタン地域では、来年に選挙が行われる予定だ。
ロイター