• ガザの武装組織ハマスがイスラエルを攻撃してからほぼ3か月、外交活動が慌ただしさを増している。イスラエルの報復攻撃により、これまでに2万2,600人のパレスチナ人が死亡し、ガザ地区は荒廃している。

ジェッダ： 5日、米国およびEUの外交トップが中東に到着した。ガザでのイスラエルの戦闘がイスラエルが占領するヨルダン川西岸地区やレバノンに飛び火することを阻止するための新たな外交努力の一環だ。

米国のアントニー・ブリンケン国務長官はサウジアラビア、トルコ、イスラエル、ヨルダン、カタール、UAE、エジプト、ギリシャを歴訪する1週間の外交日程の間にヨルダン川西岸地区を訪問する予定だ。

「この紛争がガザ以外の地域に拡大することで得する者は誰もいない、イスラエルも、この地域のどの国も、世界中のどの国も得することはない」

米国務省のマシュー・ミラー報道官は述べている。「今回の訪問での対話がすべて容易いものだとは考えていない」。

ジョセップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表は5日、イスラエル国境における状況について協議するためにレバノンを訪れた。

ボレル氏が到着すると、親イラン武装組織ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は、ヒズボラが10月8日以降、イスラエル国境で約670の軍事作戦を実施し、イスラエルの多くの軍事車両を破壊したと発表した。

ガザの武装組織ハマスがイスラエルを攻撃してからほぼ3か月、外交活動が慌ただしさを増している。イスラエルの報復攻撃により、これまでに2万2,600人のパレスチナ人が死亡し、ガザ地区は荒廃している。

イスラエルは5日、ガザ中心部の人口密集地域であるアル・マガジ、アル・ブレジ、アル・ヌセイラットに対し、戦闘機と戦車で激しい攻撃を行った。24時間に160人を超える死者が出た。他に4人が空爆でアル・ヌセイラットの路上、さらに南、数十万人のパレスチナ人が避難している地域で亡くなり、6人がハーン・ユーニスの空爆で亡くなった。

「イスラエル政府は民主主義と人道主義を謳っているが、残虐で非人道的だ」とアブデル ラゼック アブ シンジャールさんは布で覆われた妻と子の遺体の前で嘆きながら言った。妻子はエジプトとの国境沿いのラファにある自宅で空爆により亡くなった。

ハーン・ユーニスのアル・アマル病院付近で新たな空爆があり、国境なき医師団は派遣スタッフがガザ南部で身動きがとれない状態となり、絶対に必要な支援を行うことが出来ずにいると発表した。

激しい爆撃を受けたガザ北部のジャバリアでは、住民は汚水とゴミがあふれる破壊された通りを用心しながら行き交っている。飢えと命を脅かす病気が広がりつつある。

世界保健機関（WHO）はガザの病院および医療施設は紛争勃発以来、600回近い攻撃を受け、約613人が医療機関内で亡くなったと発表している。

この戦争はヨルダン川西岸地区においても暴力をかき立てている。ベイトリマの町では、イスラエル軍の発砲により、17歳の少年1人が死亡し、4人のパレスチナ人が負傷した。今回の戦争が始まってから、西岸地区では約300人のパレスチナ人が亡くなっている。