
ブレイジ、パレスチナ自治区:報道官が、ガザのハマス戦闘員がロケット弾の製造に使用していた兵器工場とトンネルの一群だと説明するものを、イスラエル軍が8日に報道関係者に公開した。
ガザ地区中部のブレイジでメディアツアーの一団を率いた兵士らは、セメント工場などの産業施設に見えるものが実際は、深い縦穴に保管するミサイルや砲弾の製造に利用されていたと述べた。
壁の隙間から太陽の光が差し込む大きな小屋の中に立ち、軍の報道官であるダニエル・ハガリ氏は、100km(62マイル)離れた標的を狙えるロケット弾の雷管だとするものを手にしていた。100kmの射程距離はイスラエル中部および南部の広範囲をカバーする。
同氏は現地で記者団に対し、この工場は、包囲されたガザ地区に人道支援を届けるのにも使われる南北を結ぶ主要ルート、サラアルディン通りの周囲に建設されたと述べた。
軍はのちに発表された声明の中で、これは「戦争開始以降に発見された最も大きな兵器製造施設だ」と述べた。
声明によれば、一部の縦穴は深さ30m(100フィート)におよび、トンネルがガザ全域のハマス戦闘員を結ぶネットワークを形成していたという。
ハガリ氏は記者会見で、イスラエル軍は「これらの施設を見つけ出し、解体した上で、現在破壊を進めている」と述べた。
パレスチナ難民のための国連機関であるUNRWAのデータによると、10月初旬のイスラエル・ハマス戦争開始前に、ガザ市のすぐ南に位置するブレイジには数万人が住んでいた。
しかし、多くの人々は戦闘を逃れて避難しており、軍のツアーで報道関係者が案内されたエリアは放棄されたように見え、パレスチナ人は見当たらなかった。
土地をならし、一帯の安全を確保しようとして、イスラエルのブルドーザーが荒廃した景色を通り抜け、激しく損壊した建物の間の土の地面を踏み荒らした。
6日にハガリ氏が、イスラエル軍はガザ北部におけるハマスの軍事体制を一掃し、中部および南部に向かったと述べた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ハマスの戦闘員がもはや自国に脅威をもたらさなくなるまで戦争は終わらないと主張しているが、国連は、戦闘によりガザは居住不能になる恐れがあると警告している。
戦争開始のきっかけは、10月7日のハマス戦闘員によるイスラエル南部への攻撃だった。イスラエルからの公式発表の数字に基づくAFPの集計によると、この攻撃により民間人を主とする約1,140人が死亡した。
戦闘員らは、約250人の人質を連れ去っており、このうち132人はいまだ拘束されていると、イスラエルはいう。少なくとも25人が殺害されたとみられている。
イスラエルは容赦ない爆撃と地上侵攻で応戦し、ガザの保健省によると、女性と子どもを主とする少なくとも23,084人が死亡した。
AFP