
ダボス:ガザの人道的状況は、特に子どもたちに関して「壊滅的」である。国連児童基金(ユニセフ)の高官が16日、ダボスで開催されている世界経済フォーラム(WEF)のパネルで語った。
ユニセフ事務局次長のキティ・ファン・デル・ハイデン氏は、ハマスとイスラエル軍の戦闘に巻き込まれた人々にとって、安全と言える場所はどこにもないと話した。
同氏によれば、ガザの子どもたちは「3D」の脅威に直面しているという。つまり、空爆による死(Death)、汚れた水からの病気(Disease)、食料などの基本的な生活必需品の欠乏(Deprivation)である。
「現地の子どもたちが置かれている状況に真剣に対処するために、緊急かつ集団的な行動を取る必要があります」
「以前にユニセフでもお話したように、ガザは子どもたちの墓場です」
パレスチナの主要電力会社を率いるパレスチナ人実業家のサメル・コウリー氏は、ガザは国際的な援助に頼るだけではなく、パレスチナの民間セクターも支援に乗り出す必要があると述べた。
人道危機の解決案がいくつも提案される中、同氏は、欧州諸国がイスラエル政府と合意を結び、ガザの病院をボランティアスタッフで運営すれば、緊急に必要とされている治療を提供することができると語った。
そして、「北と南の病院を1つずつ選び、欧州の医者や看護師、そしてさらに大切な欧州の薬品類を入れて彼らに任せましょう」と提案し、「この方法ならば、イスラエルが軍事作戦だと主張することはできません」との見解を示した。
コウリー氏はまた、国連のタスクフォースを招集し、イスラエルとパレスチナの当局者と協力して、ガザへの安定した水の供給を確保すべきだと発言。実現できるならば、エジプトがイスラエルやパレスチナと協力し、ガザ地区への電力供給を回復する方法もあると話した。
パネルの議長を務めたWEFのミレク・ドゥセク取締役は、発言者や代表者の選出状況から見て、この会議はパレスチナ危機を十分深刻に受け止めていないとする主張を否定し、ガザ危機をダボス会議での最優先課題としているアラブ人代表団は多数出席していると指摘した。
「とても痛ましい光景であり、私たちにとって、この事(状況)は非常に重要だと断言できます」と同氏は話す。
「パレスチナ人の中にも、イスラエル人の中にも、私たちと関わりを持つ多くのステークホルダーがいることを非常に嬉しく思っています」