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リビアの9月の洪水に18億ドルの復興資金が必要と、報告書

2023年9月30日、リビアのデルナで発生した洪水の余波を受けたデルナ市街。(ロイター)
2023年9月30日、リビアのデルナで発生した洪水の余波を受けたデルナ市街。(ロイター)
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25 Jan 2024 06:01:27 GMT9
25 Jan 2024 06:01:27 GMT9
  • 洪水によりリビアの全住宅戸数の7%に相当する1万8500棟以上の家屋が全壊または損壊した

2024年1月24日水曜、昨年9月にリビアで発生した大洪水は、気候・環境上の大災害であり、復興・復旧に18億ドルを要するとの国際報告書が発表された。

ストーム・ダニエルによる大雨により、老朽化した2つのダムが決壊、地区全体を地中海に押し流した後、デルナ市街の大部分が洪水により破壊された。

世界銀行、国連、欧州連合(EU)による報告書には、リビアの人口の22%にあたる約150万人が洪水による影響を受けたとし、国連の人道支援機関OCHAによって公表された数字を引用し、死者数は4352人、行方不明者数は8000人であるとした。

リビアは、2020年に停戦合意が結ばれたにもかかわらず、2014年以降、東西を支配する対立勢力間で分裂が続いており、トリポリの暫定政府と東部当局の間の紛争が災害対応を複雑化させている。

報告書では、ダムの決壊について、時代遅れの水文学的情報に基づいた構造や、リビア紛争時のメンテナンス不足や管理上の問題などが原因の一部であるとした。

また、下流地域の人口増加と都市開発、地域の限られた天気予報、避難を確実に実施するには不十分な早期警報システムが災害を拡大させたという。

報告書によると、ストーム・ダニエルによりもたらされた大雨について、気候変動により、最大で50倍起きやすくなり、強さは50%増したと考えられるとした。

また、ストーム・ダニエルによるデルナなどの都市で発生した洪水による物理的損害と損失は16億5000万ドルにのぼり、これは石油国リビアの2022年の国内総生産の約3.6%に相当すると見積もられた。

報告書によると、洪水によりリビアの全住宅戸数の7%に相当する1万8500棟以上の家屋が全壊または損壊し、当初、1万6000人の子どもを含む4万4800人近くが避難したという。

リビアの各機関の「説明責任と能力不足」が「復興プロセスにおける重要な課題」であるとし、対立する当局間の協調不全が、復興資金の「送金、管理、分配、モニタリング」を行う政府の能力に影響していると考えられるとした。

国連は、リビアの支配勢力に対し、デルナの災害に協調して対策を講じるため、意見の相違を一旦脇に置くよう呼びかけているが、双方が応じる兆しはほぼないという。

リビアで長く続く紛争を選挙で解決しようとする努力も、投票のルールや暫定政府の支配権をめぐる争いで難航している。

ロイター

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