
テルアビブ:アントニー・ブリンケン米国務長官は20日、エルサレムでベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相と会談し、ガザ紛争が5ヶ月目に突入するなか、停戦を推進する考えを示した。
イスラエルとハマスは、米国、カタール、エジプトの仲介者による、戦闘を一時的に停止し、ガザの人質解放とパレスチナ人囚人の釈放が期待される提案を検討している。
10月7日の攻撃で戦争が始まって以来、5度目の中東歴訪でサウジアラビアとエジプトを訪問した後、火曜日遅くにドーハでブリンケン氏はこう述べた。
「合意は可能であり、実際に不可欠であると我々は信じ続けている」
今のところ、ハマスが支配するガザでは、戦争は衰えることなく続いている。保健省は、一晩で少なくとも100人が死亡したと発表し、AFP通信のジャーナリストは、南部の都市へのさらに激しい爆撃を報じた。
イスラエル軍はハマス殲滅作戦のため、着実に南下しており、ここ数週間はハーン・ユーニスで最も激しい戦闘が繰り広げられている。
100万人を超えるパレスチナ人が、ガザのはるか南部、エジプト国境のラファ周辺に押し寄せている。
「イスラエルがラファで地上作戦を開始するのではないかと怯えています」と、3人の子どもを連れてガザ市から避難し、現在はラファのテントで暮らしているダナ・アーメドさん(40)は言う。
イスラエルの戦闘機が空に轟き、爆発音が地面を揺らす中、眠れぬ夜を過ごしているという。
「私たちに何が起こるのか想像もつきません。これからどこへ行くのでしょう?状況は破滅的です。ホラー映画を見ているような気分です」
激しい戦闘
イスラエル国防大臣のヨアヴ・ガラント氏は今週初め、軍隊は「まだ戦っていない場所にまで到達する」と警告した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、人が密集しているこの地域で大規模な戦闘が迫っていることに警鐘を鳴らした。
「この状況でラファでの敵対行為が激化すれば、市民の命が大規模に失われる可能性がある」
史上最も血なまぐさいガザ紛争は、10月7日のハマスによるイスラエルへの前代未聞の攻撃から始まった。イスラエルの公式発表に基づくAFP通信の集計によると、約1160人(ほとんどが民間人)が死亡した。
また、武装勢力は約250人の人質を奪った。イスラエルによれば、ガザにはまだ132人が残り、うち29人が死亡したと見られている。
イスラエルはハマスの排除を誓い、空爆と地上攻撃を開始し、ガザ保健省によれば、少なくとも27,585人が死亡した。
この作戦によって、ガザは壊滅的な打撃を受け、240万人の住民の大半が避難し、食料、水、燃料、医薬品の悲惨な不足に耐えている。
国際赤十字・赤新月社連盟は火曜日、長らく封鎖されてきたガザの人道状況は「壊滅的を通り越している」と述べた。
ハマスが停戦を提案
戦争当事者達は、パレスチナ人捕虜と引き換えに100人以上の人質、イスラエル人が解放された11月の最初の1週間の停戦に続く、新たな停戦合意の可能性について議論している。
先週、ハマスの情報筋は、新たな停戦案は6週間の戦闘停止と人質・囚人交換、そしてガザへのさらなる援助を要求していると語ったが、その後も交渉は続いている。
カタールのムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アール・サーニー首相は火曜日、ハマスが新たな提案に応じたと述べ、「返答にはいくつかのコメントが含まれているが、全般的には前向きだ」と付け加えた。
ブリンケン氏は、ハマスの返答についてイスラエルの指導者と話し合うと述べ、ネタニヤフ首相の事務所は、諜報機関モサドによって「詳細が徹底的に評価されている」と述べた。
ネタニヤフ首相は、ハマスの返答についてまだ直接コメントしていないが、イスラエルの全体的な戦争目的は変わっていないと強調した。
ガザ紛争の最中、レバノン、イラク、シリア、イエメンでは、イランが支援するグループがハマスへの同調を示し、イスラエル、アメリカ、そしてその同盟国がそれに対し攻撃を開始した。
イエメンのフーシ派反政府勢力は数週間前から、紅海とアデン湾でイスラエルとつながりのあるとする船舶を標的にしており、世界貿易を混乱させ、米英軍による報復を促している。
先週、アメリカはシリアとイラクでイランから支持を受けるグループへの攻撃を実施し、ヨルダンで3人の米軍兵士を殺害した攻撃への報復として数十人を殺害した。
イスラエルはまた、レバノンのヒズボラとも国境を越えた致命的な銃撃戦を交わし、シリアではイランに関連する標的を繰り返し空爆してきた。
英国を拠点とする戦争監視団体「シリア人権監視団」によると、イスラエルは水曜日にシリアの都市ホムスを空爆し、少なくとも6人の民間人を含む10人が死亡した。
時事通信