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イスラエルの申し立てはUNRWA職員解雇の前に裏付けを取れていなかったと、ラザリーニ氏が発言

2024年1月、ガザ地区の難民センターでパレスチナ人と対面するUNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長(X/@UNLazzarini)
2024年1月、ガザ地区の難民センターでパレスチナ人と対面するUNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長(X/@UNLazzarini)
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11 Feb 2024 02:02:17 GMT9
11 Feb 2024 02:02:17 GMT9
  • 職員の疑惑を裏付ける証拠を調べたのかと問われたとき、UNRWAの事務局長は「いいえ、調査はまだ進行中です」と答えた
  • 解雇の決定は、イスラエルの主張があまりに衝撃的だったためである

アラブニュース

ベイルート:国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員9名が「例外的で迅速な決断」により解雇されたと、同機関の事務局長が金曜日に発表した。職員らは10月7日のハマスによる攻撃を支援したとして、イスラエルに糾弾されていた。しかし解雇の前にイスラエルの主張の裏付けは取れていなかったという。

UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長が金曜日ガーディアン紙に説明したところによると、雇用契約の終了は「適正な手続きに反して」おり、解雇の前にイスラエルの主張を綿密に調査していなかったという。

エルサレムの記者会見で、職員の疑惑を裏付ける証拠を調べたのかと問われたとき、ラザリーニ氏は「いいえ、調査はまだ進行中です」と答えた。

「停職処分にすることもできましたが、解雇しました。今調査を行っており、もし彼らの無実が証明されたら、国連として(彼らに対し)適切に補償する方法を決定するつもりです」と発言している。また解雇の決定は、イスラエルの主張があまりに衝撃的だったためであると付け加えた。

UNRWAはガザで200万人近くのパレスチナ人を支援しているこの時期に、すでに「激しく醜い攻撃」にさらされているとラザリーニ氏は述べている。

「確かに私は適正な手続きなしで彼らを解雇しました。このような決断を下さなければ、機関全体の評判だけでなく、重要な人道支援を継続することすら危うくなると感じたからです」と、ラザリーニ氏は語った。

イスラエルの申し立てについて、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は木曜日に記者会見でこう語った。「ハマスがUNRWAに潜入していたという指摘があったとき、私は素早く対応にあたり、どのような形であれUNRWAにハマスが潜入することを阻止できるよう必要な措置を取ると保証しました」

事務総長によると、国連はUNRWA職員12名の関与について報告を受けており、その申し立てに信ぴょう性はあるとしている。

グテーレス氏はこう語る。「申し立てに信ぴょう性があるとすれば、高いリスクに向き合うことになります。そして高いリスクに向き合う際、それを実行するための規則や規制があるのならば、あなた方も私と同じ行動、つまり組織の利益を最優先し契約の即時打ち切りを決断すべきです。規則や規制によりそれが可能だからです」

また調査チームをすぐに現地へ派遣したことを詳細に説明し、「もし間違いがあれば将来修正することができます」と付け加えた。

今回の糾弾は危険な犯罪行為に関与しているため、組織が迅速に行動しないリスクは冒せないことを強調した。

グテーレス氏は、イスラエル軍と外務省が国連と情報を共有することに消極的だという報道を読んで驚いたと発言している。

「さらにひどいことに、外務省は私が行動を起こすとは予想していなかったという報道も読みました。これが罠だったとは考えられません」

ガーディアン紙の報道によると、国連事務局内部監査部が申し立てを調査しており、数週間以内に予備調査結果を報告する予定だという。また機関のリスク管理プロセスを、フランスの元外相カトリーヌ・コロンナ氏率いる独立調査団が審査する。

ラザリーニ氏によると、UNRWAは「敵意にあふれた」環境下で運営を続けており、イスラエルの申し立てが公に発表されて以来新たな「制約」に直面しているという。

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