
ドバイ:2月21日、イランの原子力庁長官は国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長が来月イランを訪問するとの見方を否定したが、代わりに5月にテヘランで開催される会議にグロッシ氏を招待した。
グロッシ氏は今週、イランは商業的な核利用の必要性をはるかに超えるウラン濃縮を続けていると述べ、IAEAとイランとの「隔たりつつある」関係に対処するため、来月テヘランを訪問する予定だと語った。
だが、イランのモハメド・エスラミ原子力庁長官は、来月の訪問は「多忙なスケジュール」のため困難であると述べ、それ以上の明確な説明はしなかった。「イランとIAEAの交流は通常通り続いており、不明瞭な点を解決し、協力を発展させるための話し合いが行われている」と、エスラミ氏はテヘランで毎週行われる記者会見で述べた。
エスラミ氏によれば、グロッシ氏は5月に開催されるイラン初の国際原子力会議に招待されているという。
19日にロイターの取材に応じたグロッシ氏は、昨年末からペースは若干落ちているものの、イランは依然として月に約7kgのウランを純度60%まで濃縮していると述べた。
60パーセント濃縮は、ウランを兵器級に近づけるものであり、原子力発電の商業利用には必要ない。イランは核兵器製造に動いていることを否定しているが、核兵器を製造せずにこのレベルまでウランを濃縮した国は他にない。
瓦解した2015年の世界列強との核協定の下では、イランは3.67%までしかウラン濃縮ができない。ドナルド・トランプ大統領(当時)が2018年に米国をこの協定から離脱させ、制裁を再開した後、イランはこの協定が定める核開発の制限を破り、それを大きく逸脱する施策を取っている。
国連の核監視機関であるIAEAは、2015年の核合意は「実質的に分解した」と述べた。
ロイター