• AECは幅広い軍事製品を生産している
• 同社の従業員の80%以上はサウジアラビア人だ

カテリナ・カデバシー

ドバイ：サウジアラビアのAdvanced Electronics Company（AEC）は軍事産業総局から軍事製品生産のライセンスを受け、軍事製品の生産を増やしていくことになる。

5カテゴリーでライセンスを受けたAECは、兵士向け装備と軍隊用電子機器の生産が可能となり、また軍隊向けに装備と電子機器の整備サービスを提供することもできるようになる。

「これで弊社は軍事サービス及び軍事製品の公式な生産者・供給者になります」と、AECのムハンマド・アル=ハリファー代表取締役副社長は『Arab News』に語った。

同社はすでに幅広い軍事製品を生産している。それには、通信機器、追跡用機器、空中偵察システム、サイバーセキュリティーシステム、ドローン、及びアンチドローン機器などが含まれる。

AECは、ソフトウェアの開発やセキュリティー関連の業務を行うセンターの設置を通して、サウジアラビアのサイバーセキュリティーシステムを支えている。

「弊社はエンジニアリングの分野でも能力を有しています」とアル=ハリファー氏は言う。

また同社は、情報ソリューションや通信技術、それにエネルギー分野にも取り組んでいるが、同社の重要性は生産や製造の分野にはとどまらない考えている。

「より重要な分野はメンテナンスです」とアル=ハリファー氏は言う。「弊社は、軍用機、軍艦、及び軍用車両搭載の電子機器のメンテナンスや整備サービスを提供する能力でも秀でています」

AECは、ボーイング、ロッキード、L3ハリス、コリンズ・エアロスペース、BAEシステムズ、タレス、及びエアバスなど、大規模な国際企業と提携関係を結んでいる。2015年にはボーイングによって年間最優秀サプライヤーに選ばれた。

AECと提携することで、国際企業はサウジアラビア市場で存在感を高めることができ、またAECは各地域への対応を強化できる。

アル=ハリファー氏は、AECの戦略は、特に今後10年以内に軍事製品の国内生産割合を最大50%上昇させることを目的に事業拡大を行なっている点など、サウジアラビアのビジョン2030と一致するものだと言う。

「弊社はビジョンをもとに目標を設定しました」と同氏は語る。

サウジアラビア軍事産業（SAMI）によるAECの買収をきっかけに、成長の新たな機会が開かれる。

「弊社の業界への関与度は向上します。またAECは事業拡大してより多くの雇用を創出する機会に恵まれます」とアル=ハリファー氏は言う。

同社の従業員の80%以上はサウジアラビア国籍だ。また同社では、事業を通してサウジアラビア内でさらなる知識の共有と才能ある人材の成長を可能にする体制づくりも目指している。