
エルサレム:イスラエルは、3月16日、新たに選出された議員らの宣誓就任式をシュールな方法で実施した。
保健省が10人を超える集まりを禁じたことに合わせ、120人から成る議会の祝福的要素を含む集いに代え、新議員らが3人ずつのグループに分かれ、交互に計40回を超える就任宣誓が行われた。普段とは異なる今回の宣誓就任式は、クネセト(イスラエル議会)に徹底的に消毒剤が散布された後、イスラエルのルーベン・リブリン大統領により執り行われた。
クネストの議長と書記が隣に並ぶ中、大統領は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と首相のライバルであるベニー・ガンツ氏以外を除き誰もいないがらんとした会議場で、1回目の宣誓就任式を開始した。二人は数列離れた場所に座り、殆ど目を合わせることはなかった。
リブリン大統領は、1年足らずで3度の国会総選挙を経たイスラエル国民は「休息を必要としている、私たちには癒やしが必要だ」と述べ、両リーダーに団結と歩み寄りを求めた。
ネタニヤフ氏とガンツ氏の就任宣誓が終了し、二人が会議場から送り出されると、他の議員たちが3人ずつ会議場に入れられ、短い宣誓が行われた。
国政選挙の2週間後に行われるこの宣誓就任式でイスラエルに新たな議会が誕生するのだが、イスラエルが安定政権を確立できるのは当分先のようである。
リブリン大統領は、3月16日、ガンツ元軍参謀総長が議席を得た議員らから、ぎりぎり過半数で推薦を得たことに伴い、正式に「青と白」連合の党首であるガンツ氏に連立政権樹立を指示した。
ガンツ氏は「極力短期間に、国家的、愛国的、広範な政権を形成するためにどんなことでも行う」と約束した。
ただし、長期にわたり首相を務めるネタニヤフ氏を追放するという共通の願望を除き、ガンツ氏を支持する議員連合には殆ど共通点がない。彼らはイデオロギーの違いで深く分断されており、汚職容疑の裁判に向けて準備を行い、深刻な法的問題に直面しているネタニヤフ首相に代わる新たな政権の発足に向けて団結する可能性は低いようである。
ガンツ氏の「青と白」党は3月16日、ネタニヤフ首相追放に向けた3つの法案を議会に提出している。
AP通信