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米特使、シリア領事館攻撃の報復で米国人を攻撃しないようイランに警告

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03 Apr 2024 03:04:00 GMT9
03 Apr 2024 03:04:00 GMT9
  • ロバート・ウッド大使、安保理で「米国は攻撃に関与しておらず、事前に知っていたわけでもない」と発言
  • 「かなり自制しているが、われわれの忍耐にも限界がある」とイラン大使

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:イスラエルは、ダマスカスのイラン領事館に対する攻撃の結果について全責任を負わねばならず、イランは、「このような非難されるべき行為に対して断固とした対応」をとる権利を留保している、とテヘランの国連常任代表代理は火曜日の会合で安全保障理事会のメンバーに語った。

「イランはかなり自制してきたが、われわれの忍耐にも限界がある」と、ザーラ・エルシャディ特使は語った。

月曜日、イスラエルの空爆により、シリアの首都ダマスカスにあるイラン領事館が破壊され、イランの司令官2人とレバノンの過激派組織ヒズボラのメンバーを含む12人が死亡した。また、少なくとも6人のシリア国民がこの攻撃で死亡した。

エルシャディ氏特使は安全保障理事会に対し、この攻撃を非難するよう求めた。また、この攻撃は通常の犯罪を超えており、外交官と外交・領事施設の不可侵という共通の原則に対する深い侮辱である、と述べた。

同特使は「イスラエルがガザでの紛争を激化させ、永続化させている一方で、民間人を殺害し、飢餓を戦争の方法として用いている。説明責任から逃れている」と非難した。

彼女はさらに 「イスラエルの最大の関心事は、アパルトヘイト政策、民族浄化、大量虐殺行為、そしてガザにおける目的のために、是が非でも武力を行使することである。説明責任の不在と安全保障理事会の不作為は、この政権の野放図な他国侵害を助長しているだけだ」と続け、また米国が「イスラエル政権によるすべての犯罪の責任を負っている」と非難した。

ロバート・ウッド米大使は、ワシントンはイランに対し、領事館への攻撃には「一切関与しておらず、事前に攻撃を知ることもなかった」と改めて伝えた。

「この攻撃に関するいかなる情報も確認することはできなかった」と同大使は述べ、「情報収集する中で、ひとつはっきりしていることは、イランとその支持者はこの地域の緊張の悪化を避ける必要があるということだ」と付け加えた。

ウッド大使は「10月7日のイスラエル攻撃以来、米国はイランに対し、イスラエルやその関係者に対する長年の代理戦争を悪化させる為に、この状況を利用しないよう繰り返し警告してきたが、イランはその警告を無視してきた」と述べ、「シリア政権やイランに支援されているテロリストやその他の武装集団は、シリアの領土を利用してイスラエルや米国の施設や人員への攻撃を企て始めている」と付け加えた。

そして、イランとその支持者に対し、「米軍関係者への攻撃を再開しないよう、再度警告する」と述べた。

彼はまた、ワールド・セントラル・キッチンの援助隊を襲った先日のイスラエル軍の空爆についても、悲しみと深刻な懸念を表明した。

「この事件は、イスラエルがガザの人道支援要員と施設を守るために、更に努力する必要があることを改めて思い知らされた。この紛争が始まって半年近く経つのに、イスラエル軍の牽制メカニズムが適切に機能していないことは、受け入れがたく不可解である」

安保理の緊急会合を招集したロシアのワシリー・ネベンジャ国連常任代表は、イスラエルによるダマスカスのイラン領事館への攻撃を最も強い言葉で非難し、同国によるシリア国内および周辺国への攻撃が悪化している傾向が続いていると強調し「イスラエルによるこのような攻撃的な行動は、紛争をさらに悪化させるためのものである。絶対に容認できず、止めなければならない。シリアやその他の近隣諸国の領土で挑発的な武力行為を行うことを放棄するよう求める」と述べた。

同氏は理事国に対し、外交施設に対する攻撃を非難できなければ、「次はどの国の外交公館も空襲の標的になりうる」と警告した。

スロベニアのサミュエル・ジュボガール国連常任代表は、「外交施設に対する攻撃は容認できず、正当化もできない」と非難し、ガザでの戦争が地域全体に波及し、すでに「ブルーライン沿いと紅海地域に強い影響を与えている」ことに深い懸念を表明し、すべての当事者に自制を求めた。

同氏は更に「中東でこれ以上危険な事態の悪化が起こることは、誰の利益にもならないはずだ。地理的には離れているが、最終的には絡み合っている危機のどれもが、自身の生命を奪いかねない。パレスチナ、イスラエル、イエメン、シリア、レバノン、イランなど、この地域の人々は十分に苦しんでいる。だからこそ、この理事会が、停戦を要求する決議2728を遵守することから始め、すべての人々に自制を求める明確な呼びかけを送ることが極めて重要なのです」と述べた。

中国の耿爽副大使は、イラン領事館への「極めて悪質な」攻撃を強く非難し、外交機関の不可侵を再確認し「10月にガザ紛争が始まって以来、民家、学校、病院、人道支援施設、国連機関への攻撃があり、今日、外交機関への攻撃もある。国際法のレッドラインや国際関係の基本的な規範は何度も何度も破られ、人間の良心の道徳的な底辺は何度も何度も押しつぶされてきた。このような状況、このような悲劇は直ちに止めなければならない」と述べた。

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