
エルサレム/ドバイ/ワシントン:ジョー・バイデン大統領は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、イスラエル領内への大量のドローンとミサイルによるイランの報復に対し、反撃することを決定した場合、米国はイランに対する作戦に参加しないと伝えた。
中東の宿敵である、イランとアメリカの間でくすぶる開戦の脅威は地域を緊張させ、さらなる地域情勢の悪化を避けるため、大国やアラブ諸国から自制を求める声を引き起こした。
アメリカのメディアが14日に報じたところによると、バイデン大統領はネタニヤフ首相に対し、アメリカはイランへの反撃に参加しないことを、昨晩の電話で伝えたという。この発言は、ホワイトハウス当局者によりロイターが確認した。
ホワイトハウスの国家安全保障会議の報道官であるジョン・カービー氏は、14日にABCの「This Week」で語った。
イランは、4月1日にイスラエルがシリアの大使館を空爆し、イスラム革命防衛隊の幹部が殺害された疑いがあるとして、報復を開始した。
しかし、イラン国内から発射された300発以上のミサイルやドローンによる攻撃は、ほとんどがアメリカ、イギリス、ヨルダンの支援によって迎撃されたため、イスラエル国内にはささやかな被害しかもたらさなかった。
イスラエル南部の空軍基地が攻撃を受けたが、通常通り稼働しており、7歳の子供が破片で重傷を負った。その他に深刻な被害の報告はない。
イスラエルの閣僚は14日に、イランへの反撃は差し迫っておらず、単独で行動することはないと表明した。
中道派のベニー・ガンツ前国防相は、戦争閣僚会議に先立ち、「連合軍を構築し、われわれにとって適切な方法とタイミングで、イランから代償を勝ち取る」と述べた。
ヨアヴ・ガラント国防大臣もまた、「ミサイルに核爆弾を搭載すると、脅しているイランによるこの重大な脅威に対して」戦略的同盟を結ぶ機会ができた、と述べた。イランは核武装を否定している。
イラン軍参謀総長のモハマド・バゲリ氏はテレビで、「イスラエルがイランに反撃した場合、われわれの対応は今夜の軍事行動よりもはるかに大きなものになる」と警告し、イスラエルの報復に手を貸した場合、自国の基地も攻撃される可能性があるとアメリカに警告した。
イランのアミール・アブドラヒアン外相は、イランはイスラエルへの報復は「限定的」で自衛のためであると米国に伝え、地域の近隣諸国にも72時間前に攻撃計画を伝えたと述べた。
トルコの外交筋によれば、イランは事前に何が起こるかをトルコに伝えていたという。
イランは、この報復は 「イスラエルの犯罪」を罰することが目的であったが、現在は 「この問題は終結したとみなす」と述べた。
ロシア、中国、フランス、ドイツ、そしてアラブ諸国のエジプト、カタール、アラブ首長国連邦は自制を促し、国連安全保障理事会は14日の午後4時(東部標準時、2000GMT)に招集されることになっている。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は中国を訪問中、「これ以上の地域情勢の悪化を阻止するため、あらゆる手段を尽くします」と述べ「すべての関係諸国、特にイランに対し、このような事態を続けないよう警告することしかできない」と続けた。