
ロンドン:英国の新政権は、国際刑事裁判所がイスラエルの指導者らに対する逮捕状を求めていることに対し、異議申し立てを取り下げるべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは指摘した。
リシ・スナク元英国首相は今年初め、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアヴ・ガラント国防大臣に対するICCの逮捕令状に異議を唱えていた。
ICCの最高検察官であるカリム・カーン検事は、この2人の指導者が人道に対する罪の責任を負う可能性について、正当な前例があると述べた、と金曜ガーディアンン紙は報じた。
HRWのヤスミン・アフメド英国局長は、イギリスのキア・スターマー新首相がICCに対する異議申し立てを取り下げることが「極めて重要」であると述べた。ガーディアン紙は2週間前、新政権がこの訴訟を取り下げる見込みだと報じた。しかし、同国の上級外交官は後にこの噂に異議を唱え、決定は 「検討中である 」と発表した。新政権は7月26日までに、ICCのガイドラインに従って、この異議申し立てを続行するかどうかを決定しなければならない。
アフメド氏は、労働党政権はデイヴィッド・ラミー新外相が提唱するイデオロギーである「進歩的現実主義」を追求しなければならない、とガーディアン紙に語った。さらに「親政府は、ICCへの異議申し立てを取り下げることで、国際法を遵守し、自国の主張を貫き通すことができるのでしょうか?今後、どのような展開が待っているのでしょうか?この世界は、信じられないほど複雑です。この数十年で、今まで経験したことがないようなレベルの危機がいくつも起きています」と続けた。
同氏はまた、労働党が今週、国連パレスチナ難民救済事業機関への資金援助を再開する決定を下したことを称賛した。この決定により、今年初めに始まったUNRWAへのボイコットが物議を醸した後、UNRWAへの資金援助を再開していないのはアメリカだけとなった。
「もし国内で法律を遵守していないのであれば、国際法におけるルールに基づく秩序を遵守することはできないですし、また実際に遵守しているとみなされることもないでしょう。我々は(英国政府に)その言葉通りに行動する機会を与える必要があります」と同氏は結んだ。