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ヒズボラの武装兵器についてわかっていること

2023年5月21日、イスラエルが2000年にレバノン南部から撤退した記念日を前に、国境のアラムタで大規模な軍事演習の一環として越境攻撃に参加するレバノンのヒズボラ戦闘員たち(AFP=時事通信)
2023年5月21日、イスラエルが2000年にレバノン南部から撤退した記念日を前に、国境のアラムタで大規模な軍事演習の一環として越境攻撃に参加するレバノンのヒズボラ戦闘員たち(AFP=時事通信)
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30 Jul 2024 04:07:32 GMT9
30 Jul 2024 04:07:32 GMT9
  • イランに支援されているヒズボラは、イスラエルの軍事拠点への攻撃でファラク・ロケットを使用しているが、12人の若者を殺害した土曜日のサッカー場への攻撃とは「無関係」であると主張
  • 保有兵器には、レバノン国内からテルアビブやエルサレムにも到達可能の、射程距離約300キロの精密誘導ミサイル「Fateh 110」も含まれている

ベイルート: 併合されたゴラン高原で民間人が大規模な攻撃を受け、イスラエルはレバノンのヒズボラに対して報復を予告し、ヒズボラがイラン製のファラク・ロケット(ヒズボラの広範な武装兵器の一部)で攻撃したと非難している。

ヒズボラは、10月7日のパレスチナ武装勢力によるイスラエル南部への奇襲攻撃以降、ハマス支援のため、ほぼ毎日イスラエルと越境交戦している。

イランの支援を受けたこの武装勢力は、イスラエルの軍事拠点への攻撃で過去にファラク・ロケットを使用したが、12人の若者を殺害した、土曜日のサッカー場への攻撃とは「無関与」であると主張している。

AFPはイスラム教シーア派組織の保有兵器を調査している:専門家によれば、ヒズボラは、無誘導ロケット弾、弾道ミサイル、対空ミサイル、対戦車ミサイル、対艦ミサイルを幅広く保有している。

今月初め、ヒズボラのアル・マナル・チャンネルがインタビューしたヒズボラの情報筋によれば、これらのロケット弾には、射程距離約11キロのファラク1やファラク2が含まれる。近東・湾岸軍事分析研究所のリアド・カワジ所長によれば、ファラク型を含むロケット砲は「精度が低く」、「最大3キロの誤差がある」という。

軍事アナリストで元レバノン軍司令官のハリル・ヘルウ氏によれば、ヒズボラはまだ未使用のイラン製弾道ミサイルを持っているという。その中には、レバノン国内からテルアビブやエルサレムにも到達可能な、射程距離約300キロの精密誘導ミサイル「Fateh 110」も含まれている。

ヒズボラは、2006年にイスラエルと全面戦争開始以来、武装兵器の規模と質を拡大してきた。

コントロール・リスク社のアソシエイト・アナリストであるディナ・アラクジ氏は、「2006年のヒズボラのロケット弾の数は約1万5000発でしたが、非公式な推計によれば、近年は10倍近くになっています」と指摘する。

ヒズボラはイスラエル北部とゴラン高原の標的に向けて無人機を発射している。同グループは、国境から約45キロ離れたラマト・ダヴィド空軍基地を含む軍事施設を撮影するため、3度にわたって監視ドローンを送り込んだという。

ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は、国内生産が大規模なドローン備蓄に貢献していると述べている。

「カミカゼ・ドローンは、高度な制御性と何処からでも発射でき、戦略的な優位性を持ちます」とアラクジ氏は語り、ドローンは安価な単発兵器であると指摘した。ヒズボラはまた、シャヘド136やその他のイラン製ドローンも保有しており、その中には「電子光学誘導とGPS誘導の二重誘導が可能なものもある」と同氏は述べた。

ナスララ師は以前、全面戦争になれば、イスラエルは 「陸、海、空での攻撃を覚悟しなければならない」と発言していた。イスラエルの「全海岸、全港湾、全船舶」が影響を受けるだろうと同師は述べた。

ヒズボラは射程300キロのロシア製対艦ミサイルのヤホントと、中国製ミサイルのシルクワームを保有している。この2つのミサイルは「非常に精度が高く、極めて高速であるため、石油掘削プラットフォームなど、海上の標的に対して使用可能です」とヘルウ氏は述べた。

ヒズボラは、ガザ戦争中にイスラエルのエルメス450とエルメス900を、地対空ミサイルで撃墜したと発表しており、戦闘機を標的にするためにこのミサイルを装備したと述べている。イスラエル軍機は、ドローンや 戦闘機に発射される可能性のある対空ミサイルを検知するため、低空で飛行しているという。「単に対空ミサイルを持っていればいいというわけではなく、効果的な使い方を知っていなければならない」と同氏は続けた。

アラクジ氏は「対空ミサイルはイスラエルの多層防空システムに圧力をかけることができます」と指摘する。「対空ミサイルはイスラエルの防空能力に著しい影響を与えるものではない」としながらも、イスラエル軍に「作戦形態の調整」を強いることになるだろう、と同氏は続けた。

先月、ナスララ師は、ヒズボラの戦闘員数は10万人を「大幅に上回る」と述べ、シリア、イラク、イエメン、イランの同盟国からの戦闘員派遣の申し出を断った。

ヒズボラは「予備役も含めると10万人以上を動員できるだろう」とヘロウ氏は述べたが「だからといって、全員が戦闘準備を整え、訓練を受けているわけではない」と指摘した。

専門家によれば、ヒズボラはレバノン南部とシリアとの国境に近い東部ベカー渓谷に広範な地下トンネル網を持っている可能性が高いという。しかし、イスラエルによる報復の脅威を受け、ヒズボラはこれらの拠点から撤退したと、ある情報筋はAFPに語った。

ヒズボラの公式声明に基づくAFPの集計によると、10月以来、レバノンでイスラエルの銃撃により少なくとも348人のヒズボラ戦闘員が死亡している。

ヘルウ氏は、ヒズボラは「ハマスと同様に、消耗戦の準備を整えている」と指摘し「ヒズボラの指導者たちは地下に潜伏しているため、イスラエル軍の戦闘機は攻撃できないだろう」と続けた。

AFP

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