
デイル・アル・バラ(ガザ): パレスチナ保健省が金曜日にガザで初めてのポリオ感染者を確認し、25年間ポリオのなかったガザに終止符が打たれた。母親は生後1ヶ月の息子モハメッド君がポリオに感染しているのではないかと心配している。
ガーダ・アル=ガンドゥールさんの息子モハメッド君は、生後わずか3日目から皮膚に発疹が出始めた。
「まるでやけどをしたような発疹でした」
医師は、この子を治療するクリームはないと言った。
その後、彼女はガザ中心部のデイル・アル・バラにあるアル・アクサ殉教者病院に連れて行き、診断と治療を求めた。
この発疹は、10ヶ月以上にわたる紛争の後、ガザでは衛生状態や医療物資が不足しているため、他の症状や病気が続くかもしれないという母親の不安を煽った。
パレスチナ保健省は声明の中で、デイル・アル・バラ市で初めてポリオの症例が、予防接種を受けていない生後10ヶ月の赤ん坊から検出されたことを確認した。
同様に、モハメッド君もポリオワクチンを受けていない。
「息子は生後1カ月で最初のワクチンを受けられなかったのです」と彼の母親は語った。
世界保健機関(WHO)のポリオ専門家であるハミド・ジャファリ博士は8月7日、ガザのデイル・アル・バラとハーン・ユーニス州の下水からポリオが検出されたと述べ、ウイルスが9月から循環している可能性があると付け加えた。
子どもたちへの新たな脅威
ポリオウィルスは、主に糞口感染によって広がり、神経系に侵入して麻痺を引き起こす感染力の強いウィルスである。
特に2歳未満の乳幼児は、通常のワクチン接種が戦争によって中断されているため、このウイルス性疾患にかかる危険性が高い。
「占領軍(イスラエル軍)が(国境)交差点を閉鎖し、ワクチンへのアクセスを拒否し続ければ、健康上の災難につながるだろう」とアル・アクサ殉教者病院のスポークスマン、ハリル・アル・ダクラン氏は語った。
イスラエルは日曜日に、約100万人の子どもたちのためのポリオワクチンのガザへの移送を促進すると発表した。
COGAT(パレスチナ人と民間問題を調整するイスラエルの防衛機関)の声明によると、43,000本以上のワクチンが数週間以内にイスラエルに到着し、ガザに送られる予定である。COGATの声明によれば、これは100万人以上の子どもたちの2回分の投与に十分な量だという。
しかし、アル・アクサ殉教者病院のアル・ダクラン氏は、予防接種キャンペーンは戦闘の一時停止なしには行えないと述べた。
WHOは8月16日、ポリオの再流行は「ガザ地区と近隣諸国の子どもたちにとって、新たな脅威である」と述べた。
パレスチナ中央統計局によると、ガザの人口230万人のうち半数近くが18歳未満で、約15%が5歳未満の子どもである。
ポリオの復活やその他の病気の脅威もさることながら、パレスチナ人は、食料、燃料、水の不足という人道的危機に直面しており、毎日苦痛を強いられている。
ガザでの戦争は、ハマスがイスラエル南部を攻撃し、イスラエルの集計によれば1,200人が死亡、250人以上が人質に取られた後に始まった。ガザ当局によれば、イスラエル軍の作戦によって死亡したパレスチナ人の数は4万人を超えている。
ロイター