
ブリュッセル: すでにハマスとイスラエルの間で紛争が激化している中東で、より広範な地域紛争が発生する可能性は依然として「重大なリスク」であると、国連平和維持軍の責任者は金曜日に警告した。
ブリュッセルで記者会見したジャン=ピエール・ラクロワ平和活動担当事務次長は、地域のアクターがどのような行動をとるかについて、思い込みをしないよう警告した。
ラクロワ氏はEU国防相会合の傍らで、「両当事者とも踏み込みたくない一定のルールが存在し、そのため、私たちは想像以上に安定した状況にあるとの認識が存在する可能性がある」と述べた。
「地域レベルでのエスカレーションのリスクはまだ非常に大きい。我々はまだ非常に危険な状況にある」
10月にイスラエルがガザで戦争を始めて以来、緊張が高まっている。ヒズボラはレバノン南部でパレスチナの武装組織ハマスの作戦を支援しており、イスラエル軍との連日の銃撃戦もある。
国境を越えた戦闘で数百人のヒズボラ戦闘員が死亡し、国境の両側で約10万人が避難している。
ラクロワ氏は、「意図しない 」エスカレーションや 「誤解 」のリスクを警告した。
「特にレバノン南部におけるリスクのひとつは、両当事者が相手の立場を正確に理解していないことだ」
日曜日にヒズボラは、7月30日にベイルート近郊でイスラエル軍の空爆により死亡したヒズボラの軍事指導者フアド・シュクル氏の報復として、イスラエルに対して大規模なドローンとロケット弾による攻撃を行った。
これに対してイスラエルは同日、レバノンへの空爆を開始した。
緊張が高まるなか、国連安全保障理事会はレバノンに駐留する国連平和維持軍(約1万人)の任務を1年間延長した。
ガザでの戦争は、ハマスが率いる武装勢力が10月7日にイスラエルを攻撃した後に勃発し、イスラエルの公式発表に基づくAFPの集計によると、1,199人(ほとんどが民間人)が死亡した。
ハマスが支配するガザでは、イスラエルによる報復軍事作戦によって少なくとも40,602人が死亡している。
イスラエルは今週、ヨルダン川西岸地区でも大規模な軍事作戦を強行したが、国連は「すでに爆発的な状況に拍車をかけている」と懸念している。
AFP