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レバノンは感染者数が619名に達し、パンデミック対策に奮闘する

レバノンのザルカで新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止措置の都市封鎖のなか、市場でマスクを着けているレバノン人。(ロイター通信)
レバノンのザルカで新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止措置の都市封鎖のなか、市場でマスクを着けているレバノン人。(ロイター通信)
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12 Apr 2020 03:04:49 GMT9
12 Apr 2020 03:04:49 GMT9

ナジア・フサリ

ベイルート:レバノンが土曜日に新たに10名の新型コロナウイルス(COVID-19)感染者を報告し、総感染者数は619名になった。

病院に隔離されている人数は128万2387名で、そのほとんどはレバノン山脈の人々、そして311名がレバノン北部の人々だ。

COVID-19感染が記録されたクルブ地区を視察するハマド・ハサン保健相は、一般的な移動状況は「良好」であると説明した。「我々は移動制限と集会禁止を続けていく必要があります。感染者数は安定してきています」と同保健相は述べた。

当局は日曜日と復活祭の間、人々の移動を制限する外出禁止令を出すことを決定した。

ブシャリ地区は感染者数が伸びていることを考慮して土曜日から集団隔離に入った。ブシャリ公立病院のエディ・ラゼム院長は、2、3時間に実施された検査数は70件に達したと発表した。

北レバノンの感染者数は125名、レバノン山脈は329名である。レバノン山脈マトン地区の感染者数が依然として国内最多であり、土曜日時点で124名となっている。

感染症専門医でありコロナウイルス緊急対策委員会のメンバーであるアブドゥル・ラーマン・アル・ビズリ氏は、アラブニュースに次のように語った。「新型コロナウイルス感染源の追跡が続けられており、感染元不明の感染者数を3名のみに減らすことができるかも知れません」

いっぽうで、あるレバノン医師の動画映像が土曜日にSNS上に拡散された。何日に収録したものであるかは不明だが、医療センターのある部屋でマスクをして疲れ切った医師が映っている。背景に救急車のサイレンが聞こえる。彼は電話で話をしている。「私が分かりますか。マスクを外すことができないのです。もうくたくたです。立ち通しで30時間働いています。ここは収拾がつきません。患者の群れが次から次へとやって来ます。昨日、サイーダ・ザイナブ廟(ダマスカス)からの集団を受け入れましたが、そのすべてが(新型コロナウイルスに)感染しています。質問すると、すべての人がイラン人といっしょにいたと言います。イラン人が新型コロナウイルスの感染源となっています。大惨事です。サイード・ハッサン・ナスラーフ氏はなぜ介入しないのでしょう。これは大惨事です。このような形で続けていくことは不可能です」

ヒズボラ執行評議会のハシェム・サフィエディン議長が2週間前に、ヒズボラのCOVID-19対応計画について語った。彼は、「この計画を実行すべく、2万4500名の医師と救急医療隊員を配備するとともに、ヒズボラ党、(ヒズボラ支配の)自治体、アマル医療チームからなる4500名のチームを別に結成します」と述べた。

「この計画は政府の諸機関や方策と連携したもの」であると同氏は述べ、「目的は感染拡大阻止」であることを強調した。

サフィエディン氏は、セントジョージ病院は新型コロナウイルス患者の受け入れ態勢が整っていると発表し、次のように述べた。「我々は予防措置として複数の個人病院を借り上げて装備を整えており、必要に応じてそれらを利用します。また、検査・評価をしたり必要な処置を決定したりするための診断センターも設置しています」

「レバノン全国に新型コロナウイルス対策をバックアップする32カ所の医療センターを整え、1万5000名の対応人員を訓練し、パレスチナ難民キャンプで救急医療隊員のための研修会を実施し、救急車25台に人工呼吸や医療機器を装備しました」と彼は述べた。

ヒズボラ傘下のアルラソウル・アルアザム病院は、動画映像に即座に反応して次のように述べた。「この映像は当病院で撮影されたものではなく、この医師は当病院の医師ではありません。新型コロナウイルス患者は、セントジョージ病院が受け入れ準備をしているため、当院では新型コロナウイルス患者を一切受け入れていません」

いっぽう、ミドルイースト航空(MEA)の航空機4機が土曜日にベイルートに到着し、クウェート、ドバイ、ローマ、ルンダから国外滞在のベイルート国民を乗せてきた。

クウェートから到着した航空機には123名が乗っており、多くは家族連れで、なかには健康状態に注意を要する人々も含まれるとともに、クウェートでの居住許可期限が切れたレバノン国民もいた。

駐英レバノン大使のラミ・モルタダ氏は、渡航の安全性とレバノン社会の安全を守るべく、PCR検査で陰性結果が出なかった場合には、ロンドンからのペイルート便搭乗を阻止する措置を取り入れると発表した。

ナディハ・ベリ氏率いる進歩解放連合のメンバーである国会議員ファディ・アラム氏は、現在取られている措置は「方向として正しい」と述べた。

ベイルート南側の郊外にあるサヘル総合病院の所有者であるアラムは、次のように述べた。「公立病院の収容能力はまだ受け入れ可能なレベルにあります。それらの病院の負担を軽減すべく、地域には隔離センターが置かれています。課題は、感染患者と直接接触する医療・看護スタッフのための医療必需品を供給し続けることです。それらの供給品は世界中で減少しています。それを国内生産しようとの試みがあり、我々はそれを模索中です」

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