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レバノンの抗議活動は自然発生的なものから組織へと移行する

増税と公務員の腐敗に対するデモの4日目となる日曜、レバノン国民がベイルートに集結。
増税と公務員の腐敗に対するデモの4日目となる日曜、レバノン国民がベイルートに集結。
21 Oct 2019 07:10:41 GMT9

ナジア・フッサリ

  • 「人々は首相だけでなく、政権の座にいる全員の辞職を望んでいる」

ベイルート:レバノンのデモ参加者たちは、月曜午後7時が過ぎた後も活動を続けることを固く決意している。同時刻は、国を経済の混乱から救うための改革に同意するよう求めるサード・ハリーリー首相が、政権パートナーたちに示した72時間の猶予の期限である。「人々は首相だけでなく、政権の座にいる全員の辞職を望んでいます。適切な有権者の権利を確保する選挙法の成立を目的とする小規模な実務家内閣が、早期の議会選挙を実施し、新しい大統領を選ぶことを望んでいるのです」と、ベイルートのリヤード・アッ=スルフ広場で抗議活動を行うマフムード・ファキは述べた。

ファキは政治家たちに対し、「デモ活動の勢いが弱まっていくことを期待してはいけない」と呼びかけた。「あなたたちがしゃべればしゃべるほど、より多くの人々があなたたちを拒否するでしょう。それが、ヒズボラのハサン・ナスルッラーフ議長の土曜のテレビ演説の後で起こっていることです。レバノン国民は、彼の政党が政権に存在したことによる結果を知っているのです」

現在4日目に入っているデモ活動は、「国民は政権打倒を望む」と繰り返し叫んできた。

デモ参加者たちはベイルートの中心部に座り込み、レバノンの国旗を振る。活動家たちはテントを立て、旗と共に帽子や水のペットボトルも無料で市民に配ってきた。

「私たちは自分たちのお金から支払っており、外部からのどんな資金提供も当てにしていません。そのため、私たちの活動の背後に部外者がいるとは誰も言えません。私たちは人々がデモを続ける限り、支援を続けるつもりです」と、活動家のカール・アブマルハブは言う。

デモ参加者たちは自分らの平和的な運動を表現するため、さまざまな方法を考案してきた。カラフルな衣装や顔面へのペイントの他、広げると何メートルにもなる巨大なレバノン国旗やダブケダンスも使われた。中にはペットを連れ、バーベキューやグリルを用意する者たちさえいた。

サラ・スルタンは夫のアブドゥル・ラーマンと一緒にデモに参加し、タイフ協定の破棄を訴えた。この協定が国を、宗派に属する者とゲリラに分け与えてしまったからだ。「権力の座にいる者たちを説明可能な状態にしておく必要があります。公共機関のトップであっても同じです」と、彼女はアラブニュースに語った。「これらの抗議活動は終わらないでしょう。なぜなら、国民は苦しんでいるからです」と、ラーマンが付け加えた。

アレフ・ジュウエイディと妻のカウサーは双子の赤ちゃんを連れ、リヤード・アッ=スルフ広場に来た。アレフは次のように言う。「子どもたちのためにここに来ました。彼らにはもっと良い未来を歩んでもらいたい。堕落した権力者たちを一掃したいのです。これからも抗議活動を続けるつもりです。すでに仕事はなく、商売の顧客は日に日に減っています」

別のデモ参加者ライアン・アルハバルは、どの政党にも属していないと言う。彼はデモに参加した理由を、「政治家や政党トップたちに私たちが意見を述べる恐怖の壁が壊れる様子をテレビで見た」からだと述べた。「私たちには苦しんでいることを表現する完全な自由があります。国民はもう政治家たちに我慢しません。彼らは私たちを破滅に追い込んできたからです」

レバノン国旗を配っていた活動家のダリーン・ダンダシュリは、次のように言う。「活動家たちは自分のポケットマネーから費用を支払っています。私もこれまでに$1,000払いました。誰にも私たちの運動を歪めさせたくないからです。運動は自然発生的な市民運動として始まり、現在は何らかの組織が必要になっています」

「私たちは活動家の委員会を作ろうとしています。デモ活動を受け継ぎ、後方支援を担当し、経済や政治の調査報告書で人々の要求を説明することによって、代わりとなる解決策を作り上げる別の組織です。また、憲法委員会も存在し、現政府の退陣後に議会選挙の早期実施に役割を限った暫定政府へ移行する方法を検討しています。委員は支配権力に属さない人たちで構成されています」と、ダンダシュリは説明した。

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