• ガザ停戦と人質解放、日曜午後に女性3人で開始へ
• ハマスの人質解放へ パレスチナ人囚人30人ずつと引き換えに

エルサレム／カイロ：イスラエル軍は、停戦合意の開始に先立ち、ガザのラファからエジプトとガザの国境沿いのフィラデルフィア回廊までの地域から撤退を開始したと、親ハマス派のメディアが日曜日未明に報じた。

イスラエルとハマス間のガザ停戦は日曜日の朝に発効し、その数時間後には人質が解放され、中東を動揺させた15ヶ月の戦争に終止符が打たれる可能性が出てきた。

この合意は、エジプト、カタール、米国が仲介した数ヶ月にわたる交渉の末のもので、ドナルド・トランプ次期米国大統領の就任式（1月20日）を目前に控えたものだ。

この3段階の停戦は、日曜日のGMT630に発効する。

その第一段階は6週間続き、その間に残りの98人の人質のうち33人（女性、子ども、50歳以上の男性、病人、負傷者）が、約2000人のパレスチナ人囚人や拘禁者と引き換えに解放される。

その中には、737人の男性、女性、10代の囚人が含まれており、その中にはイスラエル人数十人を殺害した攻撃で有罪判決を受けた過激派グループのメンバーや、戦争開始以来拘留されているガザ出身の数百人のパレスチナ人も含まれている。

日曜日の午後には、赤十字を通じて3人の女性人質が、それぞれ30人の囚人と引き換えに解放される予定である。

日曜日に人質が解放された後、米国の主要交渉官であるブレット・マクガーク氏によると、合意では7日後にさらに4人の女性人質が解放され、その後7日ごとにさらに3人の人質が解放されることになっている。

第一段階では、イスラエル軍はガザ内の一部の陣地から撤退し、ガザ北部の地域から避難しているパレスチナ人の帰還が許可される。

ジョー・バイデン米大統領のチームは、トランプ次期大統領の中東特使であるスティーブ・ウィトコフ氏と緊密に協力し、この取引を成立させた。

就任が近づくにつれ、トランプ次期大統領は、人質が解放されなければ「地獄の代償」を払うことになると繰り返し警告し、迅速な取引を要求していた。

戦後のガザ？

しかし、ガザの戦後の将来について包括的な合意がないため、この先ガザで何が起こるかは不透明なままだ。

また、停戦の目的は戦争を完全に終結させることだと公言されているが、簡単に崩壊する可能性もある。

20年近くガザを支配してきたハマスは、最高指導部と数千人の戦闘員を失いながらも生き延びてきた。

イスラエルはハマスの復権を許さないと宣言し、ガザ内の広大な土地を掃討した。これは、イスラエル軍が飛び地での脅威に対して自由に行動できる緩衝地帯を作るための動きと広く見られている。

イスラエルでは、10月7日に起きた治安維持の失敗により、イスラエル史上最悪の死者を出したベンヤミン・ネタニヤフ首相とその右派政権に対する国民の怒りが、人質の帰還によっていくらか和らぐかもしれない。

しかし、もしハマスとの戦争が再開されなければ、政府の強硬派はすでに辞めると脅しており、戦争終結を望むワシントンと国内の極右政治家との間で、ネタニヤフ首相は追い詰められている。

戦争が再開されれば、何十人もの人質がガザに取り残されることになる。

中東の衝撃

ガザの外では、戦争は地域に衝撃を与え、テヘランが支援するレバノンのヒズボラとの戦争を引き起こし、イスラエルは初めて宿敵イランと直接対立することになった。

それから1年以上が経ち、中東は一変した。数十億ドルを費やしてイスラエル周辺に武装勢力のネットワークを構築したイランは、「抵抗の枢軸」が壊滅し、2度の大規模なミサイル攻撃でイスラエルに最小限の被害しか与えられなかった。

ヒズボラは、その巨大なミサイル兵器庫がイスラエルにとって最大の脅威とみなされていたが、トップが殺害され、ミサイルと軍事インフラのほとんどが破壊され、屈辱を味わった。

その余波で、数十年にわたるシリアのアサド政権が倒され、イランのもうひとつの主要な同盟国がなくなり、イスラエルの軍事力はこの地域で事実上無敵となった。

しかし外交面では、イスラエルはガザでの死と荒廃に対する怒りと孤立に直面している。

ネタニヤフ首相は、戦争犯罪の疑いで国際刑事裁判所の逮捕状と、国際司法裁判所での大量虐殺の別件の告発に直面している。

イスラエルは両訴訟に猛反発し、政治的動機によるものだとして訴追を拒否し、国際司法裁判所に提訴した南アフリカやそれに加わった国々を反ユダヤ主義だと非難している。

この戦争は、ハマスが2023年10月7日にイスラエル南部を攻撃し、イスラエルの集計によれば、1,200人が死亡、250人以上が人質に取られたことに端を発している。それ以来、400人以上のイスラエル兵がガザでの戦闘で死亡している。

ガザ保健省の数字では、戦闘員と市民の区別はなく、イスラエルによる15ヶ月間のガザでの作戦によって、47,000人近くのパレスチナ人が死亡し、狭い海岸沿いの飛び地は瓦礫の荒れ地と化した。

保健当局は、死者のほとんどは民間人だと言っている。イスラエルは、3分の1以上が戦闘員だとしている。

ロイター