

アラブニュース
ジッダ:新型コロナウイルスの死者数が増え続け、感染者数は不明瞭であるにも拘らず、イラン国内の何百ものモスクが月曜日に再開する。
保健省のキアヌーシュ・ジャハンプール報道官が日曜に新たな976名の感染を報告し、総感染者数は9万7424名となり、公式な死者数は47名増えて6203名となった。
しかし国内外の専門家や当局者たちはイランの公式な感染者数を疑問視しており、実際の感染者数は報告よりもはるかに高い可能性があると述べている。
それにも拘わらずハサン・ロウハニ大統領は日曜に、国内のおよそ3分の1に相当する132の行政区で「明日からモスクを再開する」ことになると発表した。
モスクは「衛生手続きに配慮しつつ」再開されると大統領は述べた。「集団礼拝よりも社会的距離のほうが大切だ」
大統領は、イスラム教は安全を義務とみなしており、モスクでの礼拝は「推奨」に過ぎないとした。
イランのウイルスパンデミックへの対応は遅かった。マシュハドやゴムのモスクや主要な聖廟は3月中旬まで閉鎖されず、中東で感染が深刻化してイランが他の中東諸国へ感染を拡大させていた時期でさえ、聖職者たちは積極的に巡礼を勧めていた。
最終的にイラン政府は感染拡大を封じ込めるべく、大学、映画館、スタジアムほかの公共施設を閉鎖した。しかし米国の経済制裁のせいで閉鎖を続ける経済的余力がないとの理由から、4月11日以降はリスクを冒して経済を段階的に再開させていた。
保健衛生当局者のなかには感染の新たな波を警告する声があるなかで、都市を跨ぐ移動の禁止が解かれ、モールが再開した。学校や大学は引き続き休校で、文化やスポーツの集まりも禁止だが、低リスク地域の学校は間もなく再開させると大統領は述べた。
ジムや理髪店などの「高リスク」業種だけは依然として閉鎖のままだ。「我々は冷静に段階を追って再開を進めていく」とロウハニ氏は述べた。
いっぽうでサウジアラビアは、日曜日に1552名の新たな感染を報告して総感染者数は2万7011名となり、死者数は8名増の184名となった。世界ではこれまで350万人が感染し、25万人近くが死亡している。
ヨルダンは、経済を活性化させるための最新の都市封鎖緩和措置として、経済活動に課していた残りの規制を日曜日に全廃した。ヨルダン政府は過去2週間で段階的に規制を取り除いてビジネスの再開を認めてきたが、従業員の人数は抑えて厳格な社会的距離や衛生基準をとるようにとの勧告付きだ。
タリク・ハムリ産業相は、ビジネスや産業は完全に生産を再開させてもよいと発表した。公共交通機関は安全指針に従いつつ通常サービスに戻るが、大学や学校は引き続き休校し、夜間外出制限は続行される。
ヨルダンはこれまでに460名の感染者と9名の死者を報告しているが、感染拡大は封じ込めたとしている。
オマル・ラザズ首相はパンデミックへの素早い対応で称賛を浴びたが、経済的影響が深刻化するに連れ、ビジネス集団からの批判や社会不安の懸念が起きていた。
米国ではマイク・ポンぺオ国務長官が、パンデミックは中国に責任があるとの攻撃を再開させた。
「これは武漢の研究所から発生したものだとの証拠が山ほどある」とポンペオ氏は述べた。「優秀な専門家たちはこれまでのところこれを人工のものだと考えているようだ。現時点で私にそれを疑う理由はない」