



ドバイ:海外で足止めを食らっていた何10万人ものインド国民を帰国させる大規模プロジェクトの最初の一団が木曜日、アラブ首長国連邦(UAE)発の2つの便で出国した。
ウイルス対策として世界有数の厳しいロックダウンを導入したインドは、3月末以降すべての国際線の旅客機の着陸を禁止。外国にいる大勢の労働者や学生が足止めを食った。
約15,000人の国民が航空機や海軍の船で12か国から帰国する。この大規模プロジェクトを知った国民が殺到したため水曜日、民間航空省のウェブサイトがクラッシュした。
軍艦2隻がモルディブに向けて出港、他の1隻は国の人口の約3割を占める、約330万を超えるインド人が住むUAEに向けて出港した。
インドが帰国に向けたこの「超巨大プロジェクト」を実施するなか、ドバイのインド領事館は、同国だけでおよそ20万件の申請を受けつけたことを発表、ツイッターで「忍耐と協力」を呼びかけた。
待望の切符を手にアブダビとドバイの空港にやってきたインド国民は、マスクや手袋、プラスチックの防護エプロンを着けた医療スタッフに出迎えられ、抗体検査のために血液サンプルを採取された。
「結果は10分間で出ました。私は陰性でした。心から安心しました」とドバイ国際空港の40歳の搭乗者はAFPに述べた。
「勤めていた会社を失業しました。家に帰るのはちょっと変な感じがします。帰れて嬉しい反面、不安もあります」
「これからの5、6日の間、毎日1、2便のフライトをいま計画しています」とVipul総領事がドバイ国際空港でAFPに述べた。
海外にいる人たちのほとんどが仕事を失った労働者で、他にも妊婦や年配者、足止めを食った旅行者もいるという。
「取り残される人もいるでしょうが、この手の状況では避けられません(...)直ちに全員に対処するわけにはいきません」という。
UAEからの2便の両方がインド南部のケーララ州行きで、354人しか運べない。
木曜日に予定されていたカタール発のフライトは週末に延期された。
インドメディアの報道によると、遅延は、乗務員にコロナウイルスの検査を受けさせる必要があるために生じたという。
1隻の軍艦がドバイのラシッド港に到着することになっている。モルディブのインド高等弁務官事務所は、金曜日に計画されている約1,000人の出国に先立って、1隻の軍艦がマーレ港に入る様子を写した写真をツイッターに投稿した。
その他の便は、シンガポール、マレーシア、フィリピンのほか、英国のロンドン、米国のサンフランシスコ、ニューヨーク、シカゴおよびワシントンを出発することになっている。
しかしプロジェクトの進行が遅いことや、帰国者が帰国旅費を払わなければならないこと、到着後2週間隔離されることへの不満が高まっている。
「ここでは非常に多くの人たちが職を失ってしまい、文字通り飢えています」とレストランの支配人の職を失った50歳のYasinさんは、搭乗チェックインする際にAFPに語った。
「そして今、政府は航空券の代金を支払うことを人々に求めています。やめるよう心から政府にお願いしたいです」とYasinさんは述べた。
「政府は国民を保護すべきです。ここで生きていくためのお金を持っていないのです。航空券の代金を払うことは完全に不可能です」
帰国の航空券を入手できなかった人たちが、ソーシャルメディアに投稿を連発して不満をぶちまけている。一方で運に任せてやってくる者たちもいる。
ドバイ国際空港で不安そうに待っていた、2日前に母親を亡くした43歳のITエンジニアのAjithさんは、極めて貴重な最初の出国便の空席待ち名簿を持った職員に確認をしていた。
Ajithさんは「母は高齢で健康に問題を抱えており(...)インドには面倒を見てくれる人がいないので、領事館に緊急のお願いをしました」とAFPに語った後、何とか飛行機のシートを確保した。
AFP