
ワシントン:ホワイトハウスは土曜日、ドナルド・トランプ大統領政権がアダム・ボーラー氏の人質問題担当大統領特使への指名を取り下げたと発表した。
これまでガザ地区でハマスが拘束している人質の解放に向けて活動してきたボーラー氏は、上院の承認を必要としないいわゆる「特別政府職員」として人質関連の業務を継続する。
ホワイトハウスのキャロライン・リービット報道官は声明で、「アダム・ボーラー氏は人質交渉に専念する特別政府職員として引き続きトランプ大統領に仕えることになる」と述べた。
「アダムは、マーク・フォーゲル氏のロシアからの帰還交渉において重要な役割を果たした。彼は、不当に拘束されている世界中の人々を帰国させるという重要な仕事を今後も続けていく」と述べた。
ホワイトハウスの高官は、ボーラー氏が投資会社からの離任を避けるために指名を辞退したと述べた。
ハマスとの協議で巻き起こった論争とは無関係の動きである。
「彼は今でもトランプ大統領から絶大な信頼を得ている」と高官は述べた。
「これにより、海外で拘束されているアメリカ国民の救出に全力を尽くすとともに、省庁間の連携を図りながらトランプ大統領の目標達成に努めることができる」とボーラー氏は短い声明で述べた。
ボーラー氏は最近、ガザ地区の人質解放についてハマスと直接会談を行った。
この話し合いは、米国がテロ組織と認定したグループとの交渉を禁じる、ワシントンが長年続けてきた政策を破るものとなった。
それは、一部の共和党上院議員やイスラエルの指導者たちを怒らせた。
Axiosによると、イスラエルの戦略問題担当相であるロン・デルマー氏は先週、緊張感のある電話会談でボーラー氏に不快感を示した。
ハマスは2023年10月7日、イスラエル南部に越境攻撃を行い、イスラエルの集計によると1,200人が死亡、251人が人質となった。
イスラエルはこれに対し、ガザ地区への攻撃を行い、ガザ地区の保健当局によると、4万8000人以上のパレスチナ人が死亡した。
ボーラー氏はハマスと直接交渉を行う許可をトランプ政権から得ていたと、マルコ・ルビオ米国務長官が今週初めに述べた。同長官は、この交渉は「一度限りの状況」であり、成果は得られなかったと述べた。
ボーラー氏は、ロシアが3年半の刑期を終えて2月に釈放した米国人の学校教師マーク・フォーゲル氏の解放に尽力したことで知られている。
ロイター