
エルサレム:マイク・ポンペオ米国国務長官が水曜日、新型コロナウイルス感染症の流行で多くのイラン国民が命を奪われているのに、イランは「テロを扇動」するために財源を使っているとし、同国を批判した。
ポンペオ国務長官は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談に先立ち、「パンデミックが起きているというのに、イラン人はアヤトラ(シーア派の最高指導者)政権の財源を使って国際的にテロを扇動しています。イラン国民が非常に苦しんでいるというのに」とエルサレムで語った。
「イランの指導者たちの本音がよくわかります」と同氏はつけ加えた。
ポンペオ国務長官はイスラエルを日帰りで訪れたが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と連立相手のベニー・ガンツ氏との会談も予定に組み込まれていた。
ポンペオ国務長官はイスラエル・ハヨム紙に対し、併合についても議論したが、「関連するあらゆる要素にどう対応するか、適切な形で連立政権を発足し平和へのビジョンに合致する結果をもたらすにはどうしたらいいかなど、併合に関連する様々な問題についても話し合った」と伝えている。
今回の訪問は、占領下にあり暴力で分断されている西岸地区の大半を併合する計画について話し合うため、イスラエルの新政権が発足する予定の前日に行われた。
ポンペオ国務長官による今回の訪問と同じ時期、西岸地区では暴力が急増している。
水曜日には一触即発の状況にあるヘブロン市でイスラエル軍が15歳のパレスチナ人を銃で殺害したが、その前日にはジェニン周辺で拘束を行うイスラエル兵をパレスチナ人が投石で殺害している。イスラエル軍で出た今年初の死亡者だ。
ネタニヤフ首相とガンツ氏は木曜日に新政府を発足させる予定だ。両氏は1年未満の間に3度対決したものの結果が出ず、その後3年間の連立政権に合意している。
2009年から政権の座に就いている右派のネタニヤフ首相が18か月間首相を務める間、ガンツ氏は副首相を務め、合意期間の残り半分は交代する予定だ。
連立の合意によると、政権は7月1日からドナルド・トランプ米大統領の中東和平案の導入を検討し始めることができる。
パレスチナ人はトランプ大統領の提案を拒絶しており、トランプ政権のイスラエル寄りの姿勢をめぐり同政権とは2017年に関係を断っている。
パレスチナの交渉責任者であるサエブ・エレカット氏によると、訪問前にポンペオ国務長官側から接触はなかったという。
AFP/ロイター