
アラブニュース
イスタンブール:25日、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はイスラエルのエル・アル航空の貨物機によるテルアビブとイスタンブール間の運行を認めながらも、イスラエルによるパレスチナの占領と併合を再び批判した。この発言は偽善だという批判を受けるリスクを伴うものである。
24日朝、実に10年ぶりとなる両国間を結ぶ貨物便の運行が再開され、貨物機がイスタンブールに到着した。同機には新型コロナウイルスへの対応に尽力している米国の医療チームに対する人道支援物資および防護装備が積み込まれた。
同機が目的地に到着するなか、エルドアン大統領は米国のイスラム教徒にメッセージを発信し、エルサレムにおけるパレスチナ人の人権に対する支援と、イスラエルによる抑圧の否定を改めて宣言した。
「先週、我々はイスラエルによる新たな占領と併合の計画を目の当たりにしました。これはパレスチナの主権および国際法を無視したものです」エルドアンはそう述べた。
「3つの宗教の聖地であり、最初のキブラであるエルサレムは、世界中のイスラム教徒にとって他者が超えてはならない一線だと改めて述べておきたいと思います」
ベンヤミン・ネタニヤフとベニー・ガンツによるイスラエル統一政府は、近日中にもヨルダン川西岸とヨルダン渓谷の一部併合に向けて動くと見られている。
一方、今月アラブニュースでも報じたように、トルコは地中海におけるイスラエルとの互恵的海域協定を巡って議論の的になっている。アナリストはアラブニュースに対し、エルドアンはリスクの高い政治的綱渡りを試みていると話した。
「鎖国や孤立による利点が薄れたことから、トルコはイスラエルとの経済的結びつきを作ろうとしているのだと思います」地政学リスク評価企業Stratforの中東アナリストであるライアン・ボールはそう語った。
「しかしそれと同時に、トルコはパレスチナ問題を重視している支持者のことも意識して、これまで維持してきたパレスチナへの支持も生かしておきたいのでしょう」