
ワシントン:アメリカは6月17日、バッシャール・アル=アサド大統領を対象にした今までで最も厳しい制裁を課した。これはシリアを国連主導の交渉に無理やり戻し、同国でほぼ10年も続いている内戦の終結を仲介することを目指して、同政権の収入の流れを断つためだった。
シリアに課された新たな一連の制裁の対象は、アサド大統領とアスマー夫人を個人的に指定している。この制裁が課されたのは、10年間の内戦の後、政府軍支配地で珍しく発生した抗議の中、アサド大統領が深まる経済危機に対処しているときだ。
ドナルド・トランプ大統領が12月に署名した、シーザーシリア市民保護法の下で制裁の指定対象を発表した声明の中で、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、数週間、数カ月のうちに「さらに多くの」制裁を当然予想すべきだと述べた。
「アサド大統領とその体制が、シリア国民に対して無用で、残忍な内戦を止めるまで、そして、シリア政府がこの紛争の政治的解決策に同意するまで、私たちは止めません」と、ポンペオ国務長官は述べた。
この紛争の平和な政治的解決策の障害となって、指定対象となる39の法人と個人が主要な役割を果たしてきている、と同長官は述べ、アスマー・アル=アサドを選び出した。
「特筆すべきは、バッシャール・アル=アサド大統領の妻、アスマー・アル=アサド夫人が初めて指定対象となることです。彼女は夫とアフラス家一族の支援で、シリアの最も悪名高い戦争成金になったのです」と、同長官は述べた。
シリア当局は、通貨の暴落が起き、これが物価上昇や、人々が食料品・日用品を購入できず苦しむことにつながり、通常の住民の間に困窮が広がるとして、欧米の制裁を非難している。
ロイター通信