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英国人イスラム国メンバーをシリアに残すことが「イスラム国2.0」を生む可能性

英国生まれのシャミマ・ベーグムが2019年に発見されたシリア北部のアルホル国内難民キャンプの光景。(資料写真/ロイター)
英国生まれのシャミマ・ベーグムが2019年に発見されたシリア北部のアルホル国内難民キャンプの光景。(資料写真/ロイター)
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19 Jul 2020 12:07:48 GMT9
19 Jul 2020 12:07:48 GMT9

アラブニュース

  • イスラム国のために戦うため英国を離れた人々の多くが市民権を剥奪され、帰国を許されていない。
  • 専門家や政治家たちはこのことが将来、英国にとってより大きな問題を生み出す可能性があると主張する。

ロンドン:シャミマ・ベーグムのようなイスラム国メンバーをシリアに残すことは、彼らが英国へ戻ることを許可するよりも危険かもしれないと、英国政府は警告してきた。

裁判所は最近、15歳で英国を離れてシリアでイスラム国に加わったベーグムは、英国市民権の剥奪をめぐって法廷で争うため帰国を許可されるべきとの判決を下した。

英国へ帰国するための彼女の努力は広く公表されており、過激主義者に転向した後で母国に戻りたいと考えている何百人もの市民について何をすべきか、という問題に世間の注意を向けさせてきた。彼らは今、シリア民主軍(SDF)が運営するキャンプにとどめ置かれている。

イスラム国のために戦うため英国を離れた彼らの多くは市民権を剥奪され、帰国を許されていない。専門家や政治家たちは、このことが将来、英国にとってより大きな問題を生み出す可能性があると主張する。

法的な問題に取り組む慈善団体リプリーブのマヤ・フォア理事はインディペンデント紙に対し、現在の状況は「擁護できない」と話した。

「極めて厄介な地域に非国家的主体が運営する不安定なキャンプがあり、そこに脱国者たちがいたことが分かっています。彼らが戦場に戻る可能性は十分にあります。それは安全保障の観点から良い選択肢とは言えません」と、彼女は言う。

さらに、「MI6の元幹部が、彼らをそこに残すことはここへ連れてくるよりも、英国の国家安全保障にとってより危険であると言っていることからも、その理由は明らかです」と付け加えた。
SDFのクルド人当局者たちは諸国に対し、自国市民をシリアの彼らのキャンプから本国へ送還することを繰り返し求めてきた。

彼らは、トルコが2019年10月にシリア北部へ侵攻して以来、状況は極端に不安定になったと言う。

英国の保守党国会議員トバイアス・エルウッドは、トルコの一方的な攻撃が示す安全保障上の意味合いについて懸念を表明してきた。
彼は英国政府を、米国主導の反イスラム国連合に参加した後、「責任から逃れている」と糾弾した。

「何万人もの筋金入りの兵士や家族が、我々の訓練した民兵組織によってとどめ置かれている。そして今は、トルコからの包囲攻撃にさらされている」と、彼はツイートした。

エルウッドはインディペンデント紙に対し、「イスラム国2.0を見ることになるだろう。アルカイダが再び組織化され、非常に現実的な脅威になることの再現を目にすることになる。その脅威は中東だけでなく、英国にも突きつけられるだろう」と話した。「イスラム国は脱出して再び再組織化しており、再び西側を攻撃するだろう」と、彼はツイートした。

ベーグムに有利な判決が出ているものの、それに対し英国内務大臣プリティ・パテルが係争しているため、彼女は現在のところ英国に戻ることができない。

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