
タレク・アリ・アフマド
ロンドン:これまで、レバノンが今年対処しなければならなかったのは、破壊的なパンデミック、壊滅的な経済崩壊、そして汚職をし、無能だと非難された政府だけだった。
今はこれだ。しかもまだ8月だ。
「今年はレバノンにとって、間違いなく最悪の年でした」。ベイルートのラス・アル・ナバア地区に住むKarim Nahouliさんはアラブニュースにそう語った。
「15年続いた内戦、2006年のイスラエルとの戦争、そして終始暗殺がありましたが、今年は間違いなく、レバノンにとって最悪の年です」
レパノンポンドが8カ月で価値の80%以上を失い、輸入品の価格が最大で5倍まで跳ね上がるという未曾有の金融・経済危機をレバノン人は生き抜いている。
「国民は疲れています。私たちは疲れ果てており、携帯電話やソーシャルメディアに出続ける、終わりのない悪いニュースに疲れきっています」と話すのは、アリゾナ在住のレバノン人医療研究者Samer Asmar氏だ。
「抗議行動が始まって以来、私は何かに完全に集中することができず、そこからずっと悪化の一途をたどっています」
同国の政治体制を非難する抗議者らは、昨年10月17日に街頭でデモを行った。火曜日に彼らは再びそこに集まり、停電が続いていることに対し、デモを行った。
電力問題は長年にわたって同国を悩ませており、最近では1日最大20時間も停電が続いている。
さらに、今年のCOVID-19のパンデミックにより、都市封鎖中に多くの店舗やレストラン、ショッピングモールが休業し、レバノンの経済崩壊が加速した。
「レバノンは3つのレベルで闘っています。健康レベル、政治レベル、そして今は、命と幸福と安全のための闘いです」とNahouliさんは語った。