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爆破後、ブローカーが壊滅的な打撃を受けたベイルートを徘徊、混乱に乗じて現金で誘惑

2020年8月11日、ベイルートでレバノン人の少年が大規模な化学爆発により首都一帯が大規模に破壊されたのを受けて、損傷した車を掃除する。 (AFP)
2020年8月11日、ベイルートでレバノン人の少年が大規模な化学爆発により首都一帯が大規模に破壊されたのを受けて、損傷した車を掃除する。 (AFP)
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14 Aug 2020 12:08:23 GMT9
14 Aug 2020 12:08:23 GMT9

ナジャ・フサリ

ベイルート:不動産ブローカーが粉々になった建物を買い取るために大挙として押し寄せているため、ベイルートの住民は、ベイルートを瓦礫の山とした壊滅的な爆発の後、自分の家や不動産を急いで売却しないよう、強く求められている。

ベイルート港での先週の爆発により、これまでに171人が死亡、6,000人以上が負傷し、数十万人が家から追いだされた。

数十人が行方不明のままである。 世界保健機関(WHO)は、爆発によりベイルートの病院の50%が「営業停止」状態にあると推定している。

先週火曜日の爆発以来、多くの人々が通りを歩いて破片を拾い、滅茶苦茶となった街を片付ける姿を見ることができる。レバノンは現在国としても新型コロナウィルス感染症のパンデミックで、深刻な経済的、財政的、政治的困難を克服するために奮闘している最中である。

爆風で破壊された近隣の破損した車に小さなカードが貼られている。 そのカードには、「車を売却される場合は、カードの番号に電話してください」と書かれている。

カードは、港の近くのジェムマイゼ、マルミハエル、アルムダワル、カランティーナの領域で良く見かける。居住者は不動産ブローカーが多額の現金、しかもドルで、住宅や土地を買い上げるために、「街中を闊歩して建物を巡っている」と不満を述べた。

荒廃した地域には歴史的建造物が含まれ、レバノンの技師団の団長を務めるジャド・タベットによれば、全体的または部分的に崩壊の脅威にさらされている古い建物の数は50から60に上ると推定されている。

これらの建物の多くの居住者は、特にレバノンの深刻な経済危機と米ドルに対するリラの崩壊に照らして、破壊されたものを復元できないテナントまたは貧しい所有者のいずれかであった。

ブローカーの行動は、他の理由でも不安を引き起こしている。 爆発で破壊された地域は主にキリスト教の信者が住む地域であった。

ベイルートの港は、首都を東西に分割する1975年のグリーンラインの始まりであり、この状況は、戦争が終わった1990年まで続いた。グリーンラインは廃止されたが、戦争によって作られた人口構成は、いくつかの例外を除き、変わらない。

過去2日間に、国の政治的または党派的要素が、これらの領域に「潜入する機会を利用」しているという報告があがっている。

「ブローカーの存在についてのニュースは、影響を受けた地域に広く行き渡っています」と、ジョージ・オカイス議員はアラブニュースに語った。「裕福な所有者、貧しい老人の所有者、および両親や祖父母からの相続で財産を引き継ぎ、その相続人の合意を得ることが難しく、売却できない所有者もいます。過去からの遺産であろうと、ただ古いだけの建物であろうと、一部の人々は、こうした不動産を買い上げる魅惑的な金額を指し示すことで、人々の嫌悪感と怒りの感情、およびレバノンから他国へ移住したいと言う思いまでも利用したいと考えています」

キリスト教正統派の集会は、影響を受けた地域の建物や不動産の所有者に対し、先週の恐怖を経験して、絶望や欲求不満が表に出ても仕方が無い状況にはあるが、そうした感情に屈しないように訴えた。教会は人々に、彼らの財産を売却することを控え、「土地と石、彼らの存在の象徴」を堅持するように促している。

進歩主義社会党党首のワリド・ジャンブラットは、ベイルート市に対し、不動産ブローカーの利益のために、ジェムマイゼ、マルミハエル、アシュラフィエの遺産を破壊する罪を犯さないよう警告している。「ベイルート市には遺産を復興し、犠牲者を保護し、皆を助けるのに十分なお金がある」と彼は述べた。

過去2年間、レバノン人、特にキリスト教徒が持つ土地の売却を阻止するために活動してきた「レバノンの土地–私たちの土地運動」の責任者であるタラル・アル・ドゥエイヒは、次のように述べている:「一部の人々は、不動産開発業者の弁護士または代理人が、彼らの損傷または破壊された不動産を購入することに関心を示したと、私に知らせにきている」

彼は人々に提示された「非現実的な金額」は、1平方メートルあたり$8,000ドルだったと述べた

「ここらの地域の人口動態の変化は検討の俎上に上がっているのかどうかは分からないが、解決策を提供し、人々に土地を売却せず、どこの派閥に属しているは関係なく、レバノンから離れることないように伝えるのは私たちの義務であろう」とオカイスは述べている。「主な焦点は人々に財政的支援を提供することである。それが現在取り組んでいることだ」

レバノン文化省は、「損傷した物件に関連する販売、処分、保険の取引を防ぎ、すべての修復作業が完了して、歴史的建造物の保護に関する規則に従って省庁が承認するまで、不動産部門への登録を防止する 」ことを決めている。

世界マロン連合は、「お金があり裕福な人々、レバノンを退廃させたマフィアのお金の所有者、イランのお金に加えてヒズボラが後援している密輸や麻薬のお金の所有者。彼等こそ、ベイルートの文化的および人口統計的な顔を変えようとしている」と非難した。

人々が「無意識のうちに、彼らから盗み、彼らの歴史と子供たちの未来を奪う契約と合意に署名する」ことを恐れていた

レバノンの首都でのさらなる爆発についての噂も恐怖と混乱を引き起こしている。噂は、レバノン赤十字、フランス大使館、そしてレバノンの国連軍が出所とされた-3者とも即座に否定している。

大使館は、外交使節団が8月13日から15日の間にベイルートに行くことを市民に警告したと主張するオーディオ録音の内容を否定している。そして、音声メッセージは古く、「人々を誤解させ、パニックを誘発する目的で」流布されていたと強調した。

国連レバノン暫定部隊(UNIFIL)も、録音の真実性を否定した。その広報担当者、アンドレア・テネンティは次のように述べている:「UNIFILがベイルートの地域でのテロ行為を警告していると主張する音声録音は根拠がない。それは、この例外的な状況で混乱を生み出すことのみを目的としている」

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