エルサレム:マイク・ポンペオ米国務長官が月曜日にイスラエルに到着した。トランプ政権によるアラブ-イスラエル和平化への働きかけの強化を目的とする今回の中東訪問の、最初の地となる。
ポンペオ氏はまず、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とエルサレムで会い、米国の仲介により最近発表された、イスラエルとアラブ首長国連邦の外交関係正常化の歴史的合意について話し合うことになっていた。またイランや中国についての話し合いも予定されていた。
この合意は、再選を目指すドナルド・トランプ大統領にとって重要な外交政策上の成功をもたらし、変わりつつある中東を物語るものでもあった。中東では、最大の敵であるイランへの共通の懸念が増し、パレスチナ人を支援しようとする従来のアラブの姿勢を大きく上回るようになっていた。
米国、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)は今月、全面的な外交関係樹立の合意を発表したが、そこには、パレスチナ人が将来の国家の一部として求める占領地区ヨルダン川西岸の一部をイスラエルが併合するとの計画を凍結させなければならないという条件も含まれている。
今回の訪問でポンペオ氏はこの後、ネタニヤフ氏の政治的パートナーでもあるベニー・ガンツ国防相、そしてガビ・アシュケナージ外務相とも会うことになっている。
イスラエル訪問後にポンペオ氏は、スーダン、UAE、バーレーンも訪れる予定であるが、湾岸地域でさらなる訪問国が追加される可能性もあると米国務省は発表していた。スーダンでは「スーダンとイスラエルとの関係強化」を後押しするつもりだとポンペオ氏は述べた。
ポンペオ氏が到着する前にイスラエル軍は、前日にイスラエルに向けて発射された風船爆弾への報復として、月曜午前にガザ地区の武装組織の目的物を攻撃したと発表していた。ここ数週間双方の緊張が激化するなかでの直近の攻撃であった。
軍は、ガザ地区を支配するパレスチナ武装組織であるハマスの「駐屯地と地下施設」を爆破したと発表した。犠牲者は今のところ報告されていない。
2007年にハマスがガザ地区を制圧して以来イスラエルが取ってきた封鎖政策を緩和するよう圧力をかける措置として、ハマス傘下の過激派がここ数週間、多数の風船爆弾をイスラエル南部に撃ち込み農地に甚大な被害を与えていた。金曜日にはパレスチナの過激派がイスラエルに向けて12発のロケット弾を発射し、そのうち9発が迎撃されたが、これはここ何カ月でもっとも激しい攻撃であった。
イスラエルは風船爆弾や散発的なロケット弾への報復として、武装組織の拠点を空爆している。
イスラエルとハマスは過去13年で3度の戦争と無数の小さな小競り合いを起こしてきた。先週には調停を図るエジプトの派遣団が、両者の緊張を緩和して2014年のガザの戦争以降イスラエルとハマスの間に大まかに結ばれている非公式な停戦協定を強化しようと努めた。
AP