
モハメッド・アブ・ザイド
カイロ:エジプトのハーリッド・アナーニー観光・考古大臣は、新型コロナウイルス危機の余波を受けて、世界中の観光部門の今後を議論するために、エジプトがホスト国を務める観光大臣の国際会議開催を要請した。
国連世界観光機関(UNWTO)主催で行われることになるこの国際会議の提案は、同機関のズラブ・ポロリカシヴィリ局長とアナーニー大臣との会談の最中になされた。
ポロリカシヴィリ局長は、国内の観光産業を新型コロナウイルス感染拡大前の状態に戻そうとするエジプトを、同機関が支援する用意がある、と後で述べた。同機関局長はカイロのエジプト考古学博物館を訪れた後、観光産業の復興を達成するために、エジプトが講じている対策を称賛し、ホテルで実施されている予防対策を直接目にして、こうした対策に満足していると語った。
「こちらで私たちは、この感染症の拡大を防ぐために、断固たる対策が講じられているのを見ました。そして、観光部門で働く人々は対策を忠実に守っています」と同局長は語り、観光客は徐々に戻って来ることでしょう」と付け加えた。
同局長はまた、絵のように美しい都市、フルガダにある紅海のビーチを満喫するために、休暇には家族とすぐにエジプトに戻ってきたいとも漏らしていた。
アラブガイドユニオンのエコツーリズム委員会のタレク・サルハン委員長は、国際的な観光会議のホスト国を務めたいというエジプトの要請を歓迎した。それは世界の観光地として、エジプトが脚光を浴びることになり、エジプトの観光部門をパンデミック前のレベルに戻すために役立つだろう、と同委員長は語った。観光産業は国の経済に多大な貢献をしているので、エジプト政府はこの産業を大いに重視している、と同委員長は付け加えた。
UNWTO加盟諸国関係者が参加する観光会議は、国内外でエジプトの観光産業への信頼を高めることになるだろう、とサルハン委員長は語った。
「今や冬の季節に入ろうとしているので、これはエジプトが観光部門の草分け的役割を取り戻すチャンスなのです」と、同委員長は付け加えた。
チャンバー・オブ・ホテル・エスタブリッシュメントの会員、ヒシャム・アル・シェーア氏は、次のように語った。「今やエジプトのホテルのうち、55パーセントが再開しており、つまり660軒の観光施設が再開していることになります。大抵のホテル投資者たちは今のところ、経済面について考えていません。受け入れられる営業レベルに戻って欲しいだけなのです」
今までのところ、新型コロナウイルスの新規感染者は、再開したホテルやその他の観光施設で1人も報告されていない、とアル・シェーア氏は付け加えた。
エジプトの空港は公共エリアや旅客機の消毒、そして、フライト中には包装済みの食事や缶入り飲料しか出さないことなど、さまざまな安全対策を実施し、7月1日に再開した。9月から、エジプトに到着する全ての乗客は、新型コロナウイルス検査での陰性証明書を提示することが求められる。
UNWTOの第112回執行理事会は、9月15日から17日まで、ジョージア国のティビリシで開催予定だ。