
エルサレム:ドナルド・トランプ米大統領の補佐官(国家安全保障担当)は日曜日、アラブ首長国連邦(UAE)によるイスラエルとの関係正常化に、他のアラブ・イスラム諸国が追随する可能性が高いと述べる。
ホワイトハウス高官のロバート・オブライエンとトランプの娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナーは、月曜日、アブダビでイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の国交正常化合意の正式署名に向けた協議を行う前夜、エルサレムでベンジャミン・ネタニヤフ首相と会談。
イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)は8月13日、米国の仲介の下、国交正常化を発表している。今回の外交の動きは、パレスチナ問題からイランとの関係に至るまで、中東秩序の再形成に結び付く。
Tomorrow, the first Israeli flight to the #UAE will depart from Ben Gurion Airport carrying an Israeli delegation and the hope of peace and cooperation with our Emirati neighbors.
— Israel ישראל (@Israel) August 30, 2020
As-salamu alaykum, may peace be upon you.
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オブライエン米大統領補佐官は、ネタニヤフ首相の邸宅での会談後、記者団に対し、「他のアラブ・イスラム諸国も、間もなくアラブ首長国連邦(UAE)の先例に倣い、イスラエルとの国交正常化に踏み切ると確信している」と語った。
補佐官は国名を明らかにしなかったが、イスラエル当局はオマーン、バーレーン、スーダンを公の場で挙げている。
パレスチナ自治政府側は、アラブ首長国連邦(UAE)の動きを、イスラエルとの国交正常化の前提を1967年の戦争でイスラエルが占領した領土でのパレスチナ国家樹立とした方針の放棄であるとして非難した。
トランプ政権は、イスラエルのイランに関する懸念を共有するスンニ派アラブ諸国に対し、地域の和平推進の動きに加わるよう説得を続けている。
クシュナー上級顧問は、ネタニヤフ首相とオブライエン補佐官と並んで発言し、アラブ首長国連邦(UAE)の今回の決断を地域の和平推進に向けた「大きな前進」であると述べた。
「両国の関係正常化に一定の役割を果たせたことは、ホロコーストを生き抜いた2人の孫として、私や家族にとってどれほど大きな意味を持つのかは言い尽くせない」ともクシュナー上級顧問は述べている。
クシュナー、オブライエン、およびその他の米国当局者達は、イスラエルの代表団と共に、イスラエルの民間航空会社-エル・アル航空-の最初のフライトで月曜日にアラブ首長国連邦(UAE)へ向かう。
イスラエル地域協力相のオフィル・アクニスは日曜日、イスラエル公共放送協会(KAN)で発言し、イスラエルはアラブ首長国連邦(UAE)との正式合意のワシントンでの署名式を9月中旬までに開催することを望んでいると述べた。
パレスチナ解放機構の執行委員会のメンバーであるハナン・アシュラウィは、イスラエルが占領している西岸で、クシュナー上級顧問と彼のチームは、「できるだけ多くのアラブ・イスラム諸国の指導者を説得し」、ホワイトハウスの署名式に参加させようと必死だが、これは11月3日の米国大統領選挙に先立って、トランプ大統領を後押しするためであることは明らかであると述べている。
「彼らは、地域に平和をもたらさない、意味のない合意のために、野放図に駆けずり回っているに過ぎない」ともアシュラウィは述べている。
アラブ首長国連邦(UAE)は土曜日、イスラエルに対する経済ボイコットを廃止すると発表した。両国の当局者は、防衛、医療、農業、観光、技術における協力を検討していると述べた。
ネタニヤフ首相は記者団に対し、「時代遅れのボイコット」を廃止することで、「自由な」貿易、観光、投資への扉が開かれたと語った。
アラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルが日曜日に発表した声明では、アラブ首長国連邦の国務大臣とイスラエルの農業大臣が金曜日に電話で話し、「食料と水の安全保障に取り組むプロジェクトで協力することを約束した」と述べた。
砂漠の国であるアラブ首長国連邦(UAE)は、食料の約80%から90%を輸入に依存しており、近年、農業技術や海外の農地への投資を強く奨励している。
ロイター