
ベイルート:指名を受けたレバノンのアディブ総理大臣は、「専門家による政府」を形成し、災難に見舞われ経済的にも低迷するレバノンで、今や切迫した必要に迫られている改革を推進することを誓った。
アディブ首相の発表はエマニュエル・マクロン大統領の来訪に続いて行われた。マクロン大統領はその訪問中、ベイルート港における先月の大爆発事件の後、政界の指導者たちはすでに二週間以内の新政府樹立にむけたロードマップに合意していると述べた。
「ベイルートを去るにあたり、再度断言する。私はあなた方を見捨てはしない」9月2日(水)、マクロン大統領は帰国に際し、声明の中でそう言及している。
それまでの政府は8月4日の大爆発に対する国民の怒りを受け、退陣した。この事故では少なくとも190人が死亡し、何千人という負傷者を出し、首都全域が瓦礫に埋もれた。
「目の前に山積する多くの調査書類に対処することを主眼とした整合性のあるチームによる政府の樹立を早急に成功させたい」アディブ首相は協議を終えた後、テレビ中継された声明の中でそう語った。
「新政府は専門家から成る政府とするという原則に立って進めていきたい。」
政府の形成は多宗派から成るレバノンにおいては時間のかかるプロセスだ。複雑な政治制度の下では異なる宗教グループ間で政治権力の共有を模索することになる。
しかし、多数の死傷者を出したレバノンの平時の災害によって、過去数十年で最悪の経済危機から脱出するためのいち早い改革を求める強烈なプレッシャーが生まれた。
ローマ法王はレバノンが「一国の存続を脅かす極めて危険な状態」に直面していると警告を発する中、アディブ首相は9月2日(水)、議会の派閥リーダーたちとの協議を開始した。
「レバノンは世界から見捨てられて孤立してはならない」と法王は述べた。
8月31日(月)、仏大統領到着の数時間前に、レバノンの政治家たちはほとんど知名度のなかった48歳の外交官の指名を大慌てで承認した。
レバノンの権力分担制の下では、公表する前にレバノンの主要宗教グループが新政府の顔ぶれに合意するというのが常だ。
ミシェル・アウン大統領は9月2日(水)、マクロン大統領の『後押し』に対し、「自らを助け、実行力のある透明な政府を形成しようというレバノン国民の心からの決意をもって、できるだけ早く報いる必要がある」と語った。
新政府は「直ちに改革へ踏み出す」必要があると大統領は言う。
AFP