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マクロン大統領、トルコの「挑発」にEUの断固たる姿勢呼び掛け

トルコ政府が東地中海で、エネルギー資源と影響力を拡大しようとしている。(ロイター通信)
トルコ政府が東地中海で、エネルギー資源と影響力を拡大しようとしている。(ロイター通信)
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11 Sep 2020 02:09:16 GMT9
11 Sep 2020 02:09:16 GMT9
  • 同大統領は欧州諸国がトルコに対して「レッドライン」を設定すべきだと述べた

アラブニュース

アンカラ:トルコ政府が東地中海で、自らのエネルギー資源と影響力を拡大しようとしていることを受けて、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、盟友の欧州指導者たちにトルコ政府と、本人が言うところの同政府の「受け入れがたい」挑発に、立ち向かうように促した。

海底油田とガス試錐の権利をめぐって高まっている緊張感が、トルコとのあからさまな衝突に発展することが懸念される中、地中海に接しているEU諸国の指導者たちは9月10日、コルシカ島で緊急首脳会談を開催した。トルコの指導者たちはこの係争で、フランスとEUがギリシャやキプロス側についたことを非難した。

この首脳会談が始まる前に、「トルコはもはやこの地域の盟友ではありません」とマクロン大統領は語った。「私たちヨーロッパ人は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の政権の『受け入れがたい振る舞い』に、明瞭できっぱりした態度を取る必要があります」と、同大統領は付け加えた。

同大統領は欧州諸国がトルコに対して、「レッドライン」を設定し、交渉を再開しようとすべきだと述べ、次のように付け加えた。「私たち、地中海沿岸地域の人々は、平和に暮らす必要があります。私たちの目的は、緊張の激化を回避することですが、激化を回避することは無抵抗や黙認を意味しないはずです。トルコは自国の姿勢を明らかにする責任があります」

超党派のアメリカ国際シンクタンク、アトランティック・カウンシルのディミタル・ベチェフ特別研究員は、アラブニュースに次のように語った。「既にフランスは、自らのトルコ政策に関して、ドイツに一致した意見を採択するように促していますが、事態はすんなりとは進まないと思います。ハンガリー、ルーマニア、ポーランドのような中央・東ヨーロッパ諸国も、トルコに喧嘩を売りたいとは思っていませんから」

しかし、ベチェフ特別研究員は、この係争による緊張が急速に高まるとは考えていないと語った。

「エルドアン大統領の側近には課されるでしょうが、じきじきに本人に課されることがない渡航禁止令や、資金凍結といった外交的制裁が、多少あるかもしれません。」と、ベチェフ特別研究員は語った。「しかし、こうした制裁は依然として申し訳程度でしょう」

EUとトルコの両方が共通の相反する利益を持つ立場にあるのだから、ヨーロッパはトルコ政府と関わるべきだが、力強さを打ち出すべきだと、ベチェフ特別研究員は提案した。

「トルコは一切譲歩も取り付けられなくても、多分ガス試錐を続けるでしょうから」と、同氏は付け加えた。

トルコの外務省は、マクロン大統領の発言を「傲慢」で、「昔の植民地支配者的反応」を思い出させるものだと述べた。同省は緊張を掻き立て、ヨーロッパの「もっと大きな利益」を危険にさらしたとして、フランスの大統領を非難した。

欧州議会議員への演説で、ギリシャのミルティアディス・バルヴィツィオティス外務大臣は、ヨーロッパのパートナー国から支援を呼び掛け、エネルギーの試錐権をめぐる緊張状態は「それだけで、我々共通の安全保障構造への深刻な脅威となっている」と警告した。

トルコはギリシャの向うを見ており、「もっと幅広い地域での主要な不安定要因」を象徴する存在となっている、と同大臣は語り、その証拠としてリビア、シリア、その他の地域でのトルコ政府の行動を挙げた。

ギリシャは衝突を引き起こすつもりはないが、ヨーロッパの支援がやって来るまで、のんびり待っているつもりもない、と同大臣は付け加えた。「最終的には、たとえ独力でも、自国を守ります」と、同大臣は語った。

コルシカ島の首脳会談で、フランスは東地中海での係争で、ヨーロッパ諸国の首脳陣に、ドイツの調停再開を強く求めるように要請している。今週、ロシアも調停役を買って出た。

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