
イェルサレム:イスラエルは金曜日から三週間のロックダウン期間を開始すると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は日曜日に述べた。新型コロナウイルス新規感染者の第二波を受け、感染拡大を防ぐことがねらいだ。
今回のロックダウンは、ユダヤ教徒にとっては特別な祭日が重なる時期に実施される。住民の移動は自宅から500メートル圏内に制限されるが、職場は規模を縮小して営業を継続できることになっており、通勤は許可される。
学校やショッピングセンターなどは閉鎖されるが、スーパーや薬局などは営業を続けることができる。公的セクターは人員を削減して業務を継続する。また民間のオフィスや事業も、接客をしなければ営業することができる。
屋内での集会は10人、屋外での集会は20人が上限となる。
「この度の措置は、皆さまにとって多大な負担となることは知っています」とネタニヤフ首相はテレビ演説で述べた。「今までと同じように連休を過ごすことはできません。とくに、親戚と一緒に祭日を祝うことはできなくなります」
財務省は今回のロックダウンにより、すでにウイルスの流行により不況に陥っているイスラエルの経済に対して、約65億シケル(18.8億ドル)の損失が発生すると推定している。
ネタニヤフ首相のコロナウイルスの危機への対応をめぐっては批判が高まっている。同首相は財務大臣に対して、ロックダウンによって損失を受ける事業を援助するための経済支援策をまとめるよう指示したと述べた。
イスラエルはウイルスが最初に流入した4月には、今回よりも厳格なロックダウンを実施した。その後、毎日の新規感染者数は、900万人の人口に対し、二桁台前半にまで低下した。
だが経済が再開するにつれて、毎日の新規感染者数は急増し、先週は4000人を超えた。土曜日には、2715件が報告された。流行がはじまってから、1108名が死亡している。
イスラエルの医療体制に「赤信号が灯った」ことで、政府は対策を迫られたとネタニヤフ首相は述べた。
保健省局長のヘジ・レヴィ氏は先日の日曜日のラジオ番組でのインタビューに答え、「何十もの地域において、病気が蔓延しつつある」との認識を示した。
「厳格な制限を課す必要がありますが、この第二波を食い止めることで、最悪の事態を防ぐことができます」とレヴィは述べた。(1ドル=3.4566シケル)
ロイター