
Ephrem Kossaify
ニューヨーク:ドナルド・トランプ米大統領、UAEのシェイク・アブドゥラ・ビン・ザイード外相、バーレーンの アブドゥルラティーフ・ビン・ラーシド・アル・ザヤー二外相、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、アブラハム協定に署名し、イスラエルとの正常な関係を享受するアラブ諸国の数は2倍になった。
トランプ氏が中央に立ち、歴史的瞬間を次のように強調した。「イスラエルが誕生して72年で2つの和平協定が調印されたが、トランプ政権はわずか1か月で2つの和平協定を追加した」
太陽に照らされたホワイトハウスのサウス・ローンには、米国を代表する上院議員や下院議員を含む700人以上が詰めかけた。トランプ政権は以前、民主党員の署名式への招待を拒否していたが、今回は多くの民主党員が招待者リストに含まれていた。
米国メディアも称賛した。ある評論家はTVで「この勝利は、みんなの勝利だ」と語った。
ワシントン・ポスト紙でさえ次のような見出しをつけた。「大統領を憎む者は認めないだろうが、トランプ氏のUAE・イスラエル外交は並々ならぬ功績だ」と見出しをつけた。多くの人は、この協定が、中東が何十年にもわたって泥沼化してきた閉塞感からの劇的な変化をもたらすと信じた。
サウス・ローンでは、過去40年間にこのような出来事は2回しか起きていない。1978年、エジプトのアンワル・サダト大統領とイスラエルのメナヘム・ベギン首相は、キャンプ・デイビッドでジミー・カーター大統領と共に協定を交渉した後、エジプトとイスラエルの30年に及ぶ敵対関係に終止符を打ち、外交・経済関係を活性化させた。
2回目はビル・クリントン大統領立会いの下で1994年、ヨルダンのフセイン国王と、イスラエルのイツハク・ラビン首相の間で調印が行われた。「ワシントン宣言」はヨルダンとイスラエルの公式な敵対状態を終わらせ、「流血と悲しみに終止符を打つ」ための交渉を開始した。
今回はホワイトハウスの外でパレスチナ人のグループが次のようなシュプレヒコールをあげた。「川から海まで、パレスチナは自由になる」。正面ゲート前にはイスラエル人のグループが集まっていた。
協定への賛美を歌いながら、イスラエル人たちは「犯罪大臣」と呼ばれるネタニヤフ氏の辞任を要求した。
あちらこちらで大きな拍手が起こる中、演説が始まった。「平和以外のどんな選択も破壊、貧困、人々の苦しみにつながる」とシェイク・アブドゥラ外相は述べ、この協定によってUAEは「パレスチナの人々の側に立ち、安定し、繁栄した地域の中で独立国家を目指す彼らの希望を実現する」ことが可能になると続けた。
アル・ザヤーニ外相は、この協定は「真の永続的な平和」への道を歩む歴史的な一歩であり、この協定が「パレスチナ人のための包括的で永続的な二国家解決」につながることを期待していると述べた。
祈りの言葉が述べられた。ネタニヤフ首相は旧約聖書の『詩篇(しへん)』を引用して 「 主がその民に力を与えてくださるように 。 主がその民を祝福してくださるように」と述べた。シェイク・アブドゥラ外相は言った。
「私たちはイスラム教でこう言います…… 神よ、あなたは平和であり、あなたから平和がもたらされます」
彼らは協定に署名した。群衆は拍手喝采した。そして歴史が作られた。