北京：北京の空港から北朝鮮の商業便が飛び立った。北朝鮮政府の厳格な新型コロナウイルス感染症対策が3年近くぶりに緩和されつつある兆候となっている。

高麗航空が運航する乗客定員210人のロシア製のチュポレフTu-204ジェット機が、火曜日の朝に北京の空港に着陸し、現地時間午後1時30分（GMT05時30分）ごろに離陸する様子が撮影されたと報じられている。

中国外交部の汪文斌報道官は、「中国は北朝鮮の高麗航空の平壌-北京-平壌などの定期便の飛行計画を、手続きに従って承認した」と述べた。

「具体的なフライトについては、中国の関係機関の承認に従って航空会社が調整することになる」と王報道官は説明した。

中国は北朝鮮にとって外交上最も重要な同盟国であり、自然災害や行政の不行き届きで北朝鮮の経済が悪化している中、食料や燃料の重要な支援国となっている。

北朝鮮では、政権を握る労働党が情報を完全に統制し、外交官、国際連合機関、海外メディアのほとんどを排除しているため、内部の状況はほとんど知られていない。

このフライトに先立って、米国のジョー・バイデン大統領と日本、韓国の首脳らはワシントンのキャンプ・デービッドで歴史的な首脳会談を行い、8月18日には安全保障と経済連携を拡大することを決定していた。

バイデン大統領は、米国、韓国、および日本の当局者と同様に、この首脳会談は「中国についてではなく」、より広範な安全保障問題に焦点を当てたものだった述べた。

しかし、首脳の共同宣言では、南シナ海での中国の「危険かつ攻撃的な」行動を指摘し、インド太平洋での「現状変更のあらゆる一方的な試みに強く反対する」との立場を表明した。

バイデン大統領は、3か国で脅威への対応を協議するためのコミュニケーションホットラインを設置すると発表した。バイデン大統領が韓国の尹錫悦大統領と日本の岸田文雄首相との会談を終えた際に発表した合意内容には、首脳らが「キャンプ・デービッド原則」と呼ぶものも含まれていた。

尹大統領は特に北朝鮮の脅威に言及し、「これまでになく向上してきた北朝鮮の核とミサイルの脅威に対する共同の対応能力」を向上させることに同意した」と述べた。

北朝鮮は外交的に孤立し、深刻な食料不足に苦しんでいるが、世襲制の3代目として全体主義体制を続けてきた金正恩政権の正当性を主張しようと、ミサイルと核による脅しを続けている。

AP