
エルサレム:9月29日(火)、コロナウィルスのパンデミックによる全国的なロックダウン中における大衆のデモを規制する法案に反対し、何百台もの車に乗った市民がエルサレムで抗議運動を起こした。
大規模な車両群がイスラエルの国会議事堂クネセトを取り囲む通りを埋め、数十人の市民が議事堂の外の広場で抗議集会を行っているのも見られた。議事堂内では議員らが、エルサレムの首相官邸の外で毎週のように行われているベンジャミン・ネタニヤフ首相への抗議運動を取り締まる手段について議論している。
エルサレム中心部での抗議運動はこの数ヶ月何千人もの市民を集結させており、過去10年余りの間で、ネタニヤフ首相に対する最大の持続的抗議運動となっている。9月29日(火)に行われた車のパレードでは、多くの車両がイスラエル国旗や抗議運動を象徴する黒旗で飾られていた。
イスラエル政府は、新型コロナウィルスの拡散を抑制するため、今月上旬のユダヤ大祝祭日に先立って二度目の全国的なロックダウンを課した。
抗議運動は許可されていたが、影響力を持つ超正統派議員らは、大衆によるデモは続いているのに礼拝が規制されることについて憤懣をあらわにしていた。
抗議運動者たちはネタニヤフ首相の辞任を求めている。彼らは、ネタニヤフ首相は不正のかどで裁判を受けており、首相を務めるのにふさわしくないとし、コロナウィルス危機やそれによる経済的打撃への対応の不手際についても非難している。
ネタニヤフ首相は、公衆衛生上の懸念により、抗議運動は中止される必要があると言っている。しかし抗議運動者側は首相がこの危機を口実として自分たちを黙らせようとしていると言う。
イスラエルは今月上旬にロックダウンを発表し、コロナウィルスの感染拡大世界最悪の国に仲間入りしたことを受け、先週になってロックダウンをさらに強化した。その対策として、学校、ショッピングモール、レストラン、何百もの店舗を閉鎖している。
ロックダウンは当初3週間の秋のホリデーシーズン明けの10月11日に解除される予定だったが、9月29日(火)のラジオインタビューでイスラエルの保健相が、全国的 ロックダウンはおそらく延期されることになると語った。
「今から10日間で閉鎖をすべて解除し、『さあ終わりだ、もうすべて大丈夫』と言えるような見通しはない」とユリ・エデルスタイン保健相はイスラエルラジオに語った。彼によると、保健相は新たな感染者急増の可能性に対する備えができており、「経済活動や日常生活の再開は段階的に少しずつ行われることになる」という。
保健省によると、人口900万人のイスラエルで、パンデミック発生以来新型コロナウィルス感染者233,000 人以上、死亡者1,500 以上を記録している。9月29日(火)、保健省はイスラエルが対人口比コロナウィルス死亡者数で世界最大の国の一つである米国を初めて上回ったと報告した。
イスラエルは今春のパンデミック到来にいち早く対応したことで賞賛を受けたものの、5月に国を再開したのが時期尚早で、それ以来感染者が急増している。
AP