
ナジャ・フーサリ
ベイルート:ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣はレバノンを訪問し、レバノン独立政府の設立に向けたフランスの取り組みが失敗に終わったことを受け、危機に瀕したレバノンへの支援について協議する予定である。
ロシア大統領の中東及び北アフリカの担当特別代表を兼任するボグダノフ外務副大臣は火曜日、レバノン民主党(LDP)指導者のタラール・アルスラーン氏に対し、「レバノンの窒息しそうな危機から抜け出す解決策を見出すためには、努力と対話が必要であり、困難な道となるだろう 」と語った。
ボグダノフ外務副大臣は月曜日にモスクワで行われたレバノンのシャウキ・ボウ・ナッサー大使との会談の中で、レバノン高官との会談のために10月下旬にベイルートを訪問することを伝えた。
8月4日のベイルート港の爆発により、首都の大部分が壊滅的な被害を受け、政治的混乱に陥ってから初めてのロシア政府高官による訪問となる。
今回のロシアの動きは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が独立したレバノン政府を設立し、経済の崩壊を回避するために国際通貨基金(IMF)が要求した改革を導入しようとしたものの、失敗に終わったことを受けてのものである
先週の日曜日、マクロン大統領はレバノン当局者に新政権を樹立するため6週間の期限を与え、9月初旬にマクロン大統領がベイルートを訪問した際に、レバノンの指導者らが行ったマクロン大統領に対する約束を破ったと非難した。
今回の非難はイランのヒズボラとアマル運動に向けられたもので、ムスタファ・アディブ新首相による組閣を妨害したことが発端となっていうる。
両派は、土曜日のアディブ新首相の辞任を受けて広く批判され、フランスのイニシアチブを妨害していると非難された。
月曜日、イラン外務省報道官は、イランは 「レバノンの問題に対する外部干渉 」という主張を拒否したと述べた。
アマル運動は、マクロン大統領による非難や、アマル運動とヒズボラを非難しようとする試みは、「事実と首相指名者との協議の現実からかけ離れている 」と述べた。
アマル運動は、その指導者であるナビハ・ベリレバノン国民議会議長は、「レバノンの安定と国民の団結の維持を熱望する人々の先頭に立っている」と述べた。
ベリレバノン国民議会議長の政治補佐官であるアリ・ハッサン・カリル前大臣は、汚職を含む一連の容疑により米国の制裁を受けている。
進歩社会党のザファー・ナセル幹事長は『アラブニュース』に対し、ロシアのボグダノフ外務副大臣の訪問目的は依然不明であり、レバノンは引き続きマクロン大統領の努力を支援しなければならないと述べた。
「フランスによるイニシアチブはレバノンにとって最後のチャンスであり、我々はそれにしがみつかなければならない」と語った。
レバノン中央銀行が今後数週間で炭化水素の輸入に対する補助金の削減を開始すると予想されていることから、各地のガソリンスタンドでは火曜日に輸入の遅れによる供給不足が発生した。
ガソリンスタンドオーナー企業連合の代表であるジョージ・ブラックス氏によると、補助金の一部削減により、ガソリン1缶あたりの給油価格は3万7000~4万レバノンポンドに値上がりし、全面削減の場合のガソリン1缶あたりの給油価格は、6万5000~7万レバノンポンドまで値上がりするという。
「ドルの為替レートがこのまま上昇を続ければ、ガソリン1缶あたりの価格は8万5000レバノンポンドに達する可能性がある 」と語った。