
レイ・ハニア
ドナルド・トランプ米大統領の中東和平交渉に関する特別顧問を務めるアビ・バーコウィッツ氏によると、UAEやバーレーンに倣い、アラブやイスラム圏の7カ国が、イスラエルとの国交を正常化する合意に署名する可能性が高いという。
アラブ系やイスラム系の政財界の指導者たちは、トランプ政権が昨年提案したイスラエル・パレスチナ紛争解決のための計画である「繁栄に至る平和」について、パレスチナ指導部が協議することすら拒否していることに失望していると述べた。イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相はこれを 「世紀の取引 」だと表現しました。
バーコウィッツ氏は、火曜日のアラブニュースとの独占インタビューの中で、パレスチナ側が交渉に同意すれば可能性は残されたままだが、もし交渉を拒否する場合は、トランプ大統領は代替案を模索するだろうと強調した。
バーコウィッツ氏は、一部のパレスチナ指導者による交渉の拒否により、もはや他のアラブ・イスラム諸国がイスラエルとの和平を追求することが阻まれることもなければ、アメリカが他のパレスチナ地域の指導者やグループと会談することが抑止されることもないと付け加えた。
バーコウィッツ氏は「アメリカは詳細について合意しないことが可能です。我々は協議の席につき、交渉を行うことができます」と、水曜日の現地時間で朝8時にデトロイトのラジオ局WNZKで放送されるインタビューで述べた。
「しかし、もし相手側が実際に計画を検討し、熟慮し、それが受け入れられないと思う理由をこちらに説明する気がなければ、それは話をしているのではなく、話がお互いかみ合いません。その地域の多くの人々が、その様子を見て、『これ以上国益に対し拒否権を行使することは認めない』と述べたと思います。」
バーコウィッツ氏は、トランプ和平案を議論するパレスチナ指導者の席が用意されている一方で、その指導者が欠席する場合には、他のパレスチナの地域の指導者やビジネスリーダーらとの会談が行われると述べたが、具体的な名前は挙げなかった。
「アメリカは計画を発表し、その計画では二国家間の現実的な解決を求めています」と述べ、「我々の計画は、東エルサレムの地域に首都を置くパレスチナ国家を求めています。また、我々の計画では、どのような形であれ自分達が四面楚歌であると誰にも言わせないように、平和のために来たすべての人々が、すべての聖地に自由にアクセスできるようにすることを求めているのです。さらに、(我々の計画では)500億ドルの投資を提供しているだけでなく、避難した人々のための規定、難民問題についても盛り込まれています。」
「我々の計画は間違いなく、パレスチナの人々の生活をより良いものにし、地域の方向性を変えるものです。計画が(発表された)際、計画が公表される前にパレスチナ側がこの計画を拒否した様子を多くの人が見ていました。拒否する以前に彼らは計画を読んですらいないのです。正直言って受け入れられません。」
バーコウィッツ氏は、パレスチナの人々から聞かれるパレスチナ指導者の行動に対するフラストレーションに比べれば、彼自身が抱えるフラストレーションは「比べ物にならない」と語った。
「パレスチナの人々はパレスチナの現在見えている今後の展望が良くないことを理解しており、常に新しいアイデアを持ってきてくれています」と付け加えた。
イスラエルの存在はパレスチナ人が受け入れなければならない現実だと、バーコウィッツ氏は主張する。「今後、我々がこの地域で今後作っていきたいと願う事業に対し拒否権の発動することは許されません」
しかし、この計画により長年の不満や懸念が無視されることを意味するものではないと付け加えた。
「これは、イスラエル・パレスチナ紛争の意義を理解することを排除して行われているものでありません。」と述べ、「これは現実の問題です。パレスチナの指導者が我々との協議に前向きになってもらえるのであれば、 我々もパレスチナと同等の配慮を払うつもりです。」と加えた。
8月13日に、UAEとイスラエルの間で国交正常化の合意が発表された。バーレーンは9月11日、同様にイスラエルとの国交正常化合意の締結を発表した。アブラハム協定として知られる双方の合意は、トランプ大統領により仲介された。9月15日、国交正常化合意はUAEとバーレーンの外相とイスラエルのネタニヤフ首相によりアメリカのホワイトハウスで署名された。
イスラエルは、完全な外交・経済関係を確立することと引き換えに、占領地のヨルダン川西岸地区の広大な地域を併合する計画を中止することで合意した。